大日本後楽園大会で、BJW認定世界ストロングヘビー級王座と「両極譚」(7月20日、東京・両国国技館)のメーンイベンターをかけ、王者・関本大介(34)と挑戦者・神谷ヒデヨシ(23)が激突。王者が逆転勝利を収め、両国のメーンに“一番乗り”を果たした。

 記憶が飛びかけた。序盤は神谷を子供扱いしていた関本だったが、急角度岩石落としで脳天から投げ捨てられると、一気にピンチに。15分過ぎには2度目の岩石落としを食らい、カウント2・9まで追い込まれた。

 だが、3度目を狙う挑戦者を何とか背負い投げで阻止し、超滞空ブレーンバスター、剛腕ラリアートで猛ラッシュ。最後はぶっこ抜きジャーマンで薄氷の勝利を収めた。

 試合後はしばらく立てなかったが、声を絞り出し「ちょっと天地が分からなくなった。レフェリーの(マットを)叩く音で何とか目が覚めた」と安堵の表情を浮かべた。

 挑戦者は一度、入門テストを受け失格。その時の試験官が関本だった。その翌年、2度目のテストで合格したといい「1年、血のにじむような努力をしてきたんだと思う。だから絶対、もっと強くなると思います」と王者は挑戦者をたたえた。

 これで5・5横浜文化体育館大会で行われる岡林裕二(32)対河上隆一(26)の勝者と、ベルトをかけ両国のメーンを務めることが決定。王者は激闘直後とあって「そんなこと忘れていた…」と本音をこぼしながらも「プレッシャーを感じます。一生懸命精進します」と団体史上最大の大会に向け決意を新たにした。