【追悼・ストロング小林さん】元担当記者が明かす アントニオ猪木戦前の極秘合宿で〝酒浸り〟の日々

2022年01月07日 05時15分

1974年、長野・鹿教湯温泉で特訓するストロング小林さん(東スポWeb)
1974年、長野・鹿教湯温泉で特訓するストロング小林さん(東スポWeb)

 ストロング小林さんで思い出すのは、あの独特の〝あいさつ〟だ。会えばいつも「お元気?」と冗談めかして、こちらのお尻を撫でてくる。戦国武将みたいないかつい顔をしているのに、性格はとてもおだやかで、やさしかった。

 私が取材した当時の国際プロレスはとても貧乏で、地方巡業では宿舎に泊まることができなかった。選手がバスの運転免許をとって運転し、食事はサービスエリア。寝るのはバスの中だった。その〝巡業バス〟に私も乗り込んで遠征に同行。岩手・盛岡から群馬・藤岡まで1日で移動した時などはとにかくしんどかった。

 強い印象が残っているのは、長野・鹿教湯温泉で行われた小林さんの極秘トレーニングを独占取材したときのことだ。蔵前国技館で予定されていたアントニオ猪木戦を前にした3日間の合宿では、滝に打たれたりもしていたが、夜は私とカメラマンの3人で酒ばかり飲んでいた。苦労もしたけれど、そんな楽しい記憶ばかりが思い出される。

 187センチ、125キロという立派な体格。レスラーとしてはもっと大成してもよかったと思うが、あのやさしい性格がレスラー向きではなかったのかもしれない。試合で相手を攻め込んで、あと一歩いけば勝てるのに、小林さんはそこでいつも〝引いて〟しまう。相手が復活するのを待ってしまうところがあった。

 でも、そういうところも含めて「ストロング小林」は愛されたんだと思う。ご冥福をお祈りいたします。

(元プロレス担当・牟田基)

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