IGFの格闘技大会「IGF3」(11日、東京・両国国技館)で、“引退示唆発言”で渦中にある石井慧(28)がニック・ロズボロウ(33=米国)を下し、約1年ぶりの勝利をものにした。

 圧勝だった。いきなりタックルでテークダウンすると、196センチあるロズボロウをコーナーに追い詰めた。相手が立ち上がろうとするとすかさず大内刈りで倒し、寝技から逃さない。そのまま、肩固めからアームロックに移行して1R4分22秒、タップを奪った。

 昨年はミルコ・クロコップに2連敗を喫したが、それを払拭する白星。一本勝ち自体も2013年7月以来で、久しぶりの快勝となった。

 石井はこの試合に備えてオランダから帰国した8日に、「勝っても負けてもこの試合で最後」と引退を示唆した。その後は口を閉ざしていたが、この日も「(所属)事務所にお世話になっているので、明日以降、事務所と話してから。お前が持っているのは裏スジばかりと言われるので、スジを通さないといけない」と態度を明確にはしなかった。

 ただ、今後の予定に関しては「未定」とのことで「これまで気持ち良く投資できなかったので、明日は、気分良くウマ(競馬?)に投資できる」とけむに巻いた。

 一方、事務所関係者は「事務所としてはやはり選手を続けてほしい。来週月曜日以降に話し合います」と明言。仮に引退しても契約的には問題ないというが、石井に翻意を促すという。

 また、石井が引退を口にしたのは「やはりミルコに負けたことが大きいでしょう」とみている。引退発言は、ミルコがIGFを離脱しUFCに復帰して再戦のチャンスがなくなったことも影響しているようだ。