全日本プロレスの春の祭典「チャンピオン・カーニバル」は10日、東京・後楽園ホールで公式戦3試合が行われ、波乱続出となった。

 Bブロックでは初優勝を狙う元横綱曙(45)が宮原健斗と対戦。パワーで圧倒し試合の主導権を握り、笑みすら浮かべる余裕もあった。ところが…。ラリアートを鉄柱に自爆すると、痛めた右腕を徹底的に攻められた。ヨコヅナインパクト(パイルドライバー)を2回も防がれ、そのままスネークリミット(三角絞めからの腕ひしぎ逆十字固め)で右腕を伸ばされ無念のタップ。曙は「あー、参った。試合に勝って勝負に負けた。リーグ戦なので(タップせずに)痛めて最後までできなかったら仕方ないから…」と唇をかみしめた。

 Bブロックのもう一試合は昨年準優勝の秋山準(45)がジョー・ドーリングを丸め込んで辛勝したが、一方のAブロックは3冠ヘビー級王者の潮﨑豪(33)がまさかの展開。対戦成績が2勝2敗1分けの同期のライバル・諏訪魔と一歩も譲らない試合となった。時間だけが経過する中、潮﨑は必殺のゴーフラッシャーで仕留められずに無念のドロー。これで1分け1敗(勝ち点1)で実質的に“3失点”。「悔しいけど、巻き返すしかない」と声を絞り出した王者に、厳しい現実が突きつけられた。