新日本プロレスのIWGPインターコンチネンタル(IC)王者・中邑真輔(35)が5月3日の福岡国際センター大会で後藤洋央紀(35)とのV4戦に臨むことが正式に決定した。王者は荒武者迎撃に自信をのぞかせる一方で、再び長期政権を築くモチベーションが急上昇する出来事も。米WWEのIC王者ダニエル・ブライアン(33)が海の向こうから“超ドリームマッチ”を提唱してきたのだ。世界のプロレスファンに夢を与えたIC王者同士のやりとりの真意とは――。

 中邑は5日の両国大会で後藤にフォール負け。挑戦表明を許し、福岡大会でのV4戦が決まった。それでも「(散々の挑発で)火を付けたのはこっち。おんぶに抱っこ(の挑戦者)だぜ」と後藤を見下す姿勢に変わりなく、自信は揺るがない。

 すでにICの絶対王者として君臨するが、一方では最高に刺激的な“対戦要求”があった。WWEのIC王者でカリスマ人気のあるブライアンが米国内のインタビューで「中邑と戦いたい」と発言したのだ。

 これを受け、中邑も4日未明にツイッターに「いつでも、どこでも、答えはこうだ…“YES”」と英語で投稿。自身の代名詞「イヤァオ!」をブライアンの決めゼリフ「YES!」に置き換え、しゃれっ気を交えて返答した。

 もっともWWEは基本的に他団体と交流をしておらず、新日プロも接点を持っていない。現段階で実現の可能性は極めてゼロに近いことは双方承知済みだろう。中邑は「確率的にはかなり難しいんでしょうけど」と前置きした上で「そういうことが実現したらウルトラCだけど、夢があるよね。(対戦要求は)素直にうれしいんで」とやりとりの真意を説明した。

 もともと中邑にとってブライアンは特別な存在。2002年からのLA道場武者修行時代には、後にUFCライトヘビー級王者となるリョート・マチダ(36)と3人で同じマンションに住んでいたこともある。今となってはすさまじい3人組が同居していたものだ…。「僕とリョートの英語、どっちがうまいかブライアンに判定してもらったり、ブライアンがオカマに襲われそうになって帰ってきたこともあった」と私生活での思い出も尽きない。現在のブライアンの活躍にも「素晴らしいこと」と賛辞を贈る。

「IC(王者として)もそうだし、レスラーとして続けていく上で、この上ないモチベーションになる」。互いに実力を認め合う日米のIC王者同士の対戦が実現したら、それこそ超がつくドリームマッチ。文字通りインターコンチネンタルな野望をひそかに胸に抱きつつ、中邑は防衛ロードを歩み続ける。