W―1が旗揚げ以来最大の危機を迎えた。1日のW―1東京・後楽園ホール大会でW―1チャンピオンシップが行われ、王者・KAI(31)が鈴木秀樹(35=フリー)に敗れて初防衛に失敗。外敵にベルトを奪われる失態を演じた。

 3・13新宿大会では裸絞めで失神に追い込まれる(結果は両者リングアウト)など、前哨戦では押されっ放しだったKAI。汚名返上を期して臨んだ王者はゴング直後からトペにLAT(変型ポールシフト)と大技を畳み掛け、武藤敬司から王座を奪ったスプラッシュプランチャで早々に勝負に出る。しかしこれを剣山で返されると一気に形勢逆転。裸絞めで再び半失神に追い込まれ、最後は人間風車を食らいカウント3。わずか6分57秒という短さで完敗を喫した。

 試合後は、浜亮太(35)が挑戦をアピールしたが、新王者は「安易な防衛戦はしない。何もしてこなかったやつが、急にアピールして『はい、挑戦決定』みたいなことはしたくない」とツレない返答。続けて「武藤さんだけは別枠。必ず引きずり出す」と不敵に笑った。

 名前を出された武藤は「団体の代表としては面倒くさいことになるというのが正直なところ。でも、一レスラーとしては面白いことになりそうという印象もある」と話すにとどまった。最強の象徴を奪われたW―1マットに、大荒れの予感が漂ってきた。