スターダム新王者・宝城カイリ“世IV虎さん、リングで待ってます”

2015年03月30日 16時00分

新王者となった宝城

 女子プロレス「スターダム」は29日、世IV虎(よしこ=21)対安川惡斗(あくと=28)の凄惨マッチ(2月22日)が起きて以来、35日ぶりとなる東京・後楽園ホール大会を開催。空位の「ワールド・オブ・スターダム王座」争奪トーナメントは、安川の同期にあたる宝城カイリ(26)が制し、第5代王者に輝いた。涙の初戴冠の原動力は何だったのか。

 

 無期限出場停止処分が科された世IV虎の王座剥奪により、空位となっていた赤いベルトをめぐって、4選手が熱い戦いを繰り広げた。1回戦で木村響子を沈めた宝城は決勝戦で、元王者の紫雷イオと激突。22日の大阪大会で負った右目下の裂傷は医療用接着剤で止血できたが、序盤から痛めている右腕を攻められ続けた。

 

 だが17分過ぎ、イオの蹴りを激痛が走る右腕でブロックすると、18分46秒、ダイビングエルボー2連発で逆転勝利した。「スターダムを守りたい気持ちが一番強かったから勝てたと思う」。喜びを爆発させると、リングに上がった同期・安川からエルボーで祝福された。

 

 世IV虎対安川の凄惨マッチが起こった2月22日の試合後、宝城は病院に搬送される安川の救急車に同乗した。顔面が崩壊した同期の無残な姿を見ると、試合を止められなかった自分を悔やんでも悔やみきれなかったという。それでも冷静さを保ち「大丈夫だよ」と安川に声をかけ続けた。

 

 その後も、顔面3か所の骨折で入院した安川のもとを何度も訪れ、目が見えない同期に「復帰したら戦いたいね。それまでスターダムを守るから」と約束した。

 

 また、世IV虎への特別な思いもあった。この日の試合直前、2日続けて夢に世Ⅳ虎が出てきたというのだ。「優しい笑顔の世IV虎さんで、抱き合って何かを話したんです」(宝城)

 

 夢と分かった瞬間、宝城はたまらず涙ながらにLINEで「夢に出てきましたよ」と世IV虎にメッセージを送ったが「既読」になることはなかった。それでも「赤いベルトを巻いていたのは世Ⅳ虎さんだし、彼女の思いが詰まっているベルトを引き継ぎたい」と宝城は決意を新たにする。

 

 さらに「いずれ世IV虎戦は避けては通れない? そうですね」と断言。同期の復帰、そして世IV虎とタイトル戦で再会できる日まで、新女王がリングを守る。