“炎の飛龍”藤波辰爾(61)が本紙既報通りWWE殿堂「ホール・オブ・フェイム」入りしたことが20日、WWEから正式に発表された。アントニオ猪木氏(72)に続く日本人プロレスラー2人目の快挙で、現役選手としては初。インダクターも“ネイチャーボーイ”リック・フレアー(66)に決定し、ドラゴンは「WWEマット参戦」の夢を本紙に激白した。

 藤波に吉報が届いたのは2月下旬。WWEのFUNAKI(46)から「上層部が携帯番号を知りたがっている」と連絡があり、承諾したところ間もなく殿堂入りの知らせが舞い込んだという。

 発表まで正式なコメントを控えてきたが、ドラゴンは「朝で自宅にいたんだけど、女房(伽織夫人)と手をとり合って喜びましたよ。MS・Gでの試合(1978年1月23日のWWWFジュニア王座戦)がなかったら、今の自分の地位はなかったわけだからね」と振り返る。

 もちろん、愛妻と長男のLEONA(21)を殿堂入り式典(28日=日本時間29日、カリフォルニア州サンノゼ)に招待する予定だ。LEONAのレスラー人生に大きな影響を与えることは間違いない。

 さらに、式典でステージに藤波を迎える「インダクター」はNWА世界ヘビー級王座をめぐる因縁(※)のあるフレアーに決まった。藤波は「フレアー自ら『ぜひ俺にやらせてくれ』と言ってきたそうなんです。本当うれしいですよ」と破顔一笑だ。

 29日(同30日)には世界最大のプロレスの祭典「レッスルマニア31」(サンタクララ)が控える。もちろん会場を訪れるつもりで「タイツとリングシューズ、持って行ったほうがいいかな(笑い)。それは冗談としても、もし将来チャンスがあれば」と、なんとWWE参戦の野望を語った。

 祭典は無理でも、WWEでは年始1発目のPPV大会「ロイヤルランブル」でレジェンドが登場するのが恒例となっている。その他のPPV大会でも、大物のサプライズ参戦が名物だ。“現役殿堂者レスラー”だけに夢は膨らむ。

「現役レスラーには東スポのプロレス大賞があるけど、日本にも功績を残したOBがたたえられる場が欲しいね。その機運が高まるきっかけになれば」とドラゴンは渡米に向け胸を躍らせていた。

 この日はリアルジャパン東京・後楽園ホール大会の6人タッグ戦に出撃。折原昌夫を飛龍裸絞めで見事撃破し、勝利で自ら殿堂入りを祝った。

 ※=藤波は1991年3月の東京ドームでのNWА王座戦で王者フレアーを破りベルトを奪った。だが、当時同王座を管理していたWCW(後にWWEが買収)が一方的に王座移動を無効にして大騒動に。藤波は2か月後に米国に乗り込み再挑戦したが、今度はフレアーに敗れた。