電流爆破マッチで防衛戦だ! W―1、8日の東京・後楽園ホール大会でW―1チャンピオンシップが行われ、KAI(31)が武藤敬司(52)から悲願の王座奪取。「誰でもどんなリングでも戦う」と誓った。

 序盤は百戦錬磨の王者にペースを握られた。トペをかわされて左腕を負傷すると、キーロックにチキンウイングと腕殺しのフルコース。さらには必殺の月面水爆をモロに食らい、万事休すと思われた。

 だがこれはヒザに爆弾を抱える王者にとってもろ刃の剣だった。KAIがカウント2・9で返すと、流れが急転。すかさずスプラッシュ弾3連発を決めてベルトを奪い取って見せた。

 新王者は「いつ何時、誰の挑戦でも受ける。W―1が盛り上がるなら何でもします」と所信表明。「何でも」というなかには、昨年8月に初体験した電流爆破マットでの防衛戦も含まれているという。

「自分は何にでも乗っていくのがチャンピオンだと思っている。憧れの存在だった大仁田(厚)さんも、そういう考え。どんな試合スタイルでもやります」と新王者は断言。「ただ、肌が強いほうではないので蛍光灯デスマッチは無理かな…」とジョークを交えつつ“新しいW―1”をつくるために身を削る覚悟を決めた。試合後には、挑戦を表明した鈴木秀樹(35)と“視殺戦”を繰り広げたKAI。まずは、この難敵をクリアしなければW―1の未来は開けてこない。

 一方、秋山準(45)との3冠ヘビー級戦(2012年3月20日)以来、実に約3年ぶりのシングル戦黒星となった武藤は「正直、荷が下りた部分もある」とすがすがしい表情。今後については「俺がおしとやかになると、裏の顔が出てくるんだ」と、グレート・ムタ降臨の日が近いことをにおわせた。