闘病中の〝燃える闘魂〟アントニオ猪木氏(78)が20日、自身のユーチューブチャンネル「最後の闘魂」で愛弟子の藤波辰爾(67)と対談し、思い出話に花を咲かせた。

 9月29日に公開された動画では藤原喜明、長州力、藤波と対面した際の様子が公開されており、今回はそのロングバージョンだ。

 2人の会話は次第に熱を帯び、約50年前に起きた藤波の〝ジャングル置き去り事件〟の話題で盛り上がった。当時、猪木氏の付け人を務めていた藤波はタンザニアに同行。藤波にとって、これが初の海外旅行だった。

 ところが急用ができた猪木氏が、日本のレスラーの窓口を務めた人物にお金を渡して先に帰国したところ、その人物がお金を持って逃げてしまったという。ジャングルの中で置き去りにされた藤波は、ナイロビやバンコクなど数都市を経由して1人で帰国したそうだ。

「ちゃんと(藤波を世話してくれと)言ったのに、金を渡したからなあ。持っていっちゃたんだよあのヤロー」と猪木氏が悪びれることなく弁明すると、藤波は「たくさん(金を)渡し過ぎたんじゃないですか」と笑顔で語った。

 とにかく大自然での生活は危険と隣り合わせだった。「会長が(川で)水浴びしているけど、こっちは動物の声がするわで怖くて」と藤波が振り返ると、猪木氏は「テレビで冒険ものをやるじゃん。こんなもんじゃねえよって(思った)」と語った。

 その後、藤波は「チャンスがあればもう一度、付け人時代のように会長の背中を流してみたいなと。シャンプーをするんですけど、会長の頭がどんな形していたか今でも思い出す」と願い、さらに「うちの家内が一度、食事をつくりたいらしんですよ。家内が大阪だから『美々卯』っていううどんすきの店があるんですが、うどんすきを会長に食べてほしいと」と申し出た。

 すると猪木氏は「やりましょう。そういうおいしいものは大好きだなあ」と即答した。

 最後は藤波が「会長が食事を召し上がって元気になってもらうことがみんなの願いですし。僕も今年デビュー50周年になりましたので、ぜひ会長に気合を入れてほしい願いもあります」と語るや、猪木氏は「復活まではいってないけど、近いところまではきているので、一緒にいきましょう」と呼びかけ、2人は恒例の「1、2、3、ダーッ!」で締めくくった。