全日本プロレスの暴走専務・諏訪魔(38)が2日、女子プロレス「スターダム」の世IV虎(よしこ=21)に現役続行の“責務”を説いた。

 スターダム東京・後楽園ホール大会(2月22日)での世IV虎と安川惡斗(28)の凄惨マッチはマット界に波紋を広げている。この試合について諏訪魔は「チャンピオンとしての戦い方も考えさせられるものがあった。どこまでが許されるかっていうラインは、今回の件で世Ⅳ虎選手も分かったと思う。俺も昔はそのラインが分からなくて興奮しちゃっていたから」。

 2008年9月13日の全日プロ後楽園大会、当時3冠ヘビー級王者の諏訪魔は雷陣明(36)の攻撃に激怒。サッカーボールキックと激しいストンピングを見舞い、雷陣を一時、意識不明の状態に追い込んでいる。緊急搬送された雷陣は幸いにも脳振とうの診断で大事には至らなかった。諏訪魔は「運が良くて最悪の事態にはならなかったけど、あの試合でラインが分かった」と振り返る。

 一方で、当時周囲から厳しい非難の声が寄せられ、レスラーを「辞める覚悟だった」という。それでも後悔や迷いを吹っ切り、現在でもリングに立ち続けているのは、雷陣から「頑張れ!」と現役続行を求める意思が確認できたからだ。

 今回も重傷を負った安川が世IV虎をかばう声明を出しており、諏訪魔は「辞めちゃいけない。続けるしかない。周りを納得させ続けるしかない」と力を込めた。無期限出場停止処分中の世IV虎に男子トップレスラーからの言葉は届くのか。