バカサバイバーが“2冠”を目指す!? 4月11日の東京・両国国技館大会からスタートするIGFの「新王者決定トーナメント」が大波乱の予感だ。元IGF王者の石井慧(28)が19日、トーナメントに参戦しないことを表明。一方で「ONE FC」ライト級王者の青木真也(31)が仰天出場を示唆した。ベルトをとりまく勢力図は大きく変化しそうだ。

 前IGF王者のミルコ・クロコップ(40)が米UFCに復帰し、現在ベルトは空位。そのため、IGFは4月大会から国内・海外合わせ十数人参加のトーナメントをスタートさせ、大みそか大会で新王者を決める計画を立てている。

 ここで注目されるのが元王者の石井だ。この日、大阪のグリーンツダジムでボクシング特訓を公開。日本ヘビー級1位の石田順裕(39)と激しいスパーリングを披露した。もちろん4月への布石と思われたが、本人は「IGFには出ない意思を伝えてある。ロシアの団体(M―1グローバル)とも契約があるし…」となんと不出馬を表明。さらに「ずっと先の夢になるが、UFCの試合を見据えて練習に取り組んでいきたい」と米国進出の野望を口にしたのだ。

 前王者も前々王者もUFC流出となれば非常事態となるなか、意外な男が名乗りを上げた。「GENOME32」(20日、東京ドームシティホール)でケンドー・カシン(46)戦を控える青木だ。ベルトに対して「チャンスがあれば常に(手に入れたいと)思ってます」と明言した。トーナメントについても「次(カシン戦)が終わって、オファーがあればもちろん」とキッパリ。ライト級王者は階級を超越した戦いも問題なしとした。

 IGFのサイモン猪木取締役は「2月大会が終わってから、声がかけられる選手には全員にオファーを出す。基本的には無差別級になる」としたうえで「実績のある選手でもシードにはしたくない。全員1回戦から。フェアにやりたい」と青写真を語った。もし「ONE FC」現役王者の青木が出場しても“ハンディ”は与えてもらえそうにない。

 東京・新宿のアントニオ猪木酒場で行われた恒例の「前夜祭」に出席したIGF総帥・アントニオ猪木氏(72)はミルコ離脱に「勢いがあるときは仕方がない」と一定の理解を示し「そろそろ新しいスターが出てきたほうがいい」と“世代交代”を期待した。トーナメントについては「俺は分からないよ。他のやつに聞いてくれ。ムフフ…」とけむに巻いたが、大物から新星までバラエティーに富んだ大会になりそうだ。