新日本プロレス14日の仙台サンプラザ大会でIWGPインターコンチネンタル王者・中邑真輔(34)に挑戦する永田裕志(46)が「オヤジの背中」計画を練り直して決戦に臨む。試合当日は長男・裕生君(5)とともに入場する予定だったが、ちえ子夫人(45)の無慈悲なひと言で断念。永田はそんな悲劇も発奮材料に変えて、改めて父の威厳を見せつけることを誓った。

 仙台バレンタイン決戦で永田が掲げるテーマは「オヤジの背中」だ。いまだに生態実情が謎の「プロレス女子」には相手にもされない…いや、性別や世代を超越した存在であるミスターは「一家を支える全国の父親や同世代の連中に夢を与えたい」という野望を秘めて決戦に臨む。そこで極秘裏に進めていた計画が、決戦の花道を裕生君とともに歩くこと。一世一代の勝負に臨む父の姿を目の前で見てもらうつもりだった。

 永田自身は幼少時代、父・昭男さんが強豪高、千葉・成東高校野球部の監督を務めていた雄姿を記憶にとどめられなかったからだ。

「勝利監督インタビューを受けている姿を見たかすかな記憶があるけど、俺がちゃんと物心つくころには県庁に行ってしまってね。なかなか父親が頑張ってる姿って息子に見てもらえないじゃない。その点、俺は見られる職業だしさ」(永田)

 ところがこれを妻に相談したところ「あんた勝てないからダメ。勝ってからにして」という、一家の大黒柱もへったくれもない無慈悲な却下通告に永田は「俺の究極の教育方法に水を差された…」と憤るが、確かに一緒に入場した父親がタイトルマッチで惨敗でもすれば裕生君のトラウマになりかねない。ちえ子夫人の意見も一理ある。

 あれこれと弄した策がムダに終わったミスターだが、要は最初から勝てばいいだけの話。鬼のような妻のひと言も改めて勝利を誓う発奮材料になったという。

 妻と息子は来場する予定に変わりはなく、永田はベルト奪取後に裕生君をリングに上げるという路線へシフトチェンジ。「俺が命を懸けるリングから見る景色ってこんなにいいもんなんだぞって教えたいし、『父ちゃんすげえんだぞ』ってのを見せたいね」と燃える永田。愛息に白いベルトを捧げるつもりだ。