【プロレス・トリビア(5)】ワイアット・ファミリーの一員として名を上げ、ジョン・シナ軍に加わりWWEのトップ選手となったエリック・ローワン(33)。2007年6月から3か月間、WLWからの留学生ソルーフとして東京・有明のノア道場に滞在したが、日本独特の合宿生活にはなじめなかった。

 202センチ、136キロの巨体を2段ベッドに押し込むだけでも窮屈。フラリとゆりかもめに乗って気晴らしをしようと思っても何しろ目立つ。「何? あの大きい人、ププッ」と修学旅行生などから指をさされ笑われる始末。「ミーの心の休まる場所はないのか…」と旧ソルーフはうつ病の一歩手前まで追い込まれた。

 悩める大男に救いの手を差し伸べたのが当時ノアの世界ジュニア王者・青木篤志(37)だ。自衛隊に7年間所属して集団生活に慣れている青木は、積極的にソルーフに話しかけ、道場でも一緒にチャンコを囲んだ。他の選手とも会話できるよう橋渡し役になり、日本に慣れるよう気を使ってくれた。

「日本になじめたのもアオキのおかげだ」とワイアット一家に洗脳されシナと共闘中の男は、青木に敬愛の念を抱き続けている。