本紙が1面(7日付)で報じたミスタープロレス・天龍源一郎(65)の引退はプロレス界に衝撃を走らせた。

 全日本プロレスの秋山準社長(45)は昨年末、「引退するから(ジャイアント)馬場さんの『十七回忌特別大会』(1月31日、後楽園ホール)に出してもらいたい」と要請を受けていたことを明かした。天龍にとっては天国の馬場さんへの「引退報告」だったようだ。

 さらに、天龍が11月に行う予定の引退試合についても、全日本としては「こちらの試合がない時なら当然、協力します。天龍さんがおっしゃってくれるなら(引退前に)うちに上がるのもウエルカムです」(秋山社長)と話した。

 一方、業界の盟主である新日本プロレスの菅林直樹会長(50)は「東京ドーム大会をはじめ、数々のビッグマッチで新日本の歴史に名を刻んだ選手。もしも引退興行ということで協力要請があれば、前向きに検討をしたいと考えています」とコメント。天龍はIWGPヘビー級王座の最年長戴冠記録(49歳10か月)を保持しており、功労者の一人でもある。新日プロの協力があれば、ビッグマッチ実現も十分可能だろう。

 また、ノアの丸藤正道副社長(35)も「個人的には(要請があれば)協力を惜しむつもりはない。何かと協力してくれた方だし、これからのプロレス界を俺たちに任せてくださいという意味も込めて」と前向き。天龍と縁の深い新日本と全日本、そしてノアの主要3団体が全面協力を約束したことで、最高の花道が用意されそうだ。 

 一方、全日本の渕正信(61)だけは「実感が湧かないな。体調は、絶好調ではないんだろう。ちょっと気弱になったのかな。でも打たれ強くてタフな人間だから、ちょっと休んで怖い天龍源一郎が復活したら、『またやるぞ』ってなるかもしれないよ」。エールの意を込め早くも“復帰”を期待していた。