全日本プロレスの元横綱曙(45)が6日、元関脇貴闘力(47)からの対戦要求を“受諾”した。わずか3試合でプロレス引退を表明した貴闘力の唯一の心残りは、曙との対戦が実現しなかったこと。曙が前向きな態度を示したことで、事態は急転、貴闘力が引退を撤回する可能性も出てきた。

 山が動いた。貴闘力との対戦について曙は本紙の取材に「ちゃんと会社同士が話してやるなら、『ぜひ!』ってところですね」と話した。前提として曙が所属する全日プロと貴闘力サイドの話し合い次第になるが、前向きな姿勢を示したのだ。

 昨年4月にプロレスデビューした貴闘力は、これまで3試合に出場。いずれも邪道・大仁田厚(57)との対戦だった。だが、本業である焼き肉店の経営が多忙なこともあり、先月12日のレジェンドプロレス後楽園ホール大会を最後にプロレス引退を表明した。

 一方で貴闘力は「曙とやれるなら…」と未練も口にし、曙戦が実現するならもう1試合だけリングに上がる可能性を示唆していた。そうした状況で、曙が前向きな返答。理由は明確だ。「大事なとこで負けていた。ボクがヒザをケガしてからは、横の動きが悪くなって…。彼は動くタイプだから、それでやられた」

 大相撲では綱を張ったが、貴闘力を大の苦手とし実に7個もの金星を奪われた。汚名返上のためにもプロレスのリングでリベンジしたい気持ちが強いようだ。

 さらには貴闘力に引退撤回を求める大仁田も「俺が曙さんに会いに行ってやる」と、なんと仲介役に名乗り出た。もちろん、狙いは電流爆破戦が行われる「とんこつ超花火」(3月21日、博多スターレーン)のリングに2人を上げること以外に考えられないが…。

 貴闘力戦実現の前に、まずやるべきことがある。17日の全日本・名古屋大会ではSUSHIと組み、アジアタッグ王者の長井満也、南野タケシ組に挑戦する。曙は「そこから3冠を目指して、一歩を踏み出せたら」と目をギラつかせ、早くもその先を見据えていた。