棚橋「猪木越え」と「プロレス復興の誓い」

2015年02月05日 08時10分

MVPの大先輩天龍(右)、武藤(中)のアドバイスを受け、プロレス界のけん引を誓う棚橋(左)

 プロレスの父・力道山が眠る東京・大田区の池上本門寺で3日、恒例の「節分追儺式(ついなしき)」が行われた。2014年度プロレス大賞MVPの棚橋弘至(38=新日本プロレス)をはじめ、マット界の主役たちが集結。MVP受賞回数を3に伸ばして歴代4位タイに並んだ棚橋は、ともに4回で2位タイの記録を保持する天龍源一郎(65=天龍プロジェクト)と武藤敬司(52=W―1)から独特の“エール”を送られ、歴代1位のアントニオ猪木(71)超えとプロレス復興の誓いを新たにした。

 毎年恒例の豆まきには、今年もトップレスラーが勢揃いした。豪華な顔ぶれの中心は、やはり昨年のMVP・棚橋だ。各団体の主力とともに豆まきを終えた棚橋は「なかなかこういう機会もないので、刺激になりました」と笑みを浮かべた。

 昨年は3度目のMVP受賞を果たし、故ジャンボ鶴田さんに並ぶ歴代4位タイに名を刻んだ。猪木の持つ最多記録「6」まで見据えるが、この日は、そのためにも超えなければならないレジェンドとも顔を合わせた。4回の受賞で2位に並んでいる天龍と武藤だ。

 ともにいまだ現役でライバル関係には変わりないものの、棚橋の積み重ねてきた実績に対する評価は高い。天龍は「平成のスタイルを築き上げている。まだまだ伸びるよ」と絶賛。猪木を超える資質も十分と太鼓判を押し「俺はどんな相手と戦ったら面白いかということを追求してきた。批判があった時もある。だけど、結果と内容を残して、そういう声を黙らせてきた。自分の嗅覚で面白い相手を探し出して戦えばいい」と“金言アドバイス”を送った。

 また、かつての師匠・武藤も棚橋の活躍を認めている。昨今の業界では「プロレス女子」なる言葉が出てきたように、女性人気の高まりが見られる。

 武藤は「これもある種、棚橋効果だよな。棚橋をリーダーとする選手たちの頑張りのおかげ。俺から(2009年1月にIWGPヘビー級の)ベルトを取ったのをきっかけにして、彼なりの努力をして今の棚橋がある」と分析した。もっとも、武藤は現役のW―1王者。「まあ、俺だって今年はMVPを狙える状況が整いつつあるのは確かだからな」と、自身の記録を伸ばす意欲も忘れていない。

 最大級の「賛辞」と「宣戦布告」が入り交じっているのも、トップレスラー独特の“エール”と言える。偉大な先輩の言葉を受けた棚橋は「天龍さんのアンテナのすごさは学ぶところが多いですよ。武藤さんからは、付け人をやってて『スターの振る舞い』を学んだ。求められたサインをあえて若手に一回断らせ(もったいをつけ)つつ、サインをするとかね。伝統を守りつつ、新しいスタンダードを築きたい。天龍イズムでしきたりを大事にし、武藤イズムで…ヒザは大事にしたいっす」と感激の面持ちだ。

 常に「猪木超え」を目標として公言している棚橋にとって、何よりの励みになった。「過積載だろうと、全てを背負っていきますよ。(記録を)塗り替えて、前人未到の境地に行きます。棚橋が有名になることとプロレスが広まることは“ニアイコール”だと思ってやっていく」。プロレスの祖・力道山が眠る地で新たな誓いを立てた棚橋が、上昇気流のプロレス界を今後もけん引する。