新日本プロレスのIWGPヘビー級王者・棚橋弘至(38)が27日、極悪外国人軍「バレットクラブ」壊滅を予告した。2月11日の大阪大会でAJスタイルズ(36)とV2戦に臨むが、次期シリーズ(30日、所沢で開幕)に挑戦者は不参戦。まさかの前哨戦なしとなったことで、王者は王座戦当日のセコンド介入阻止に向け、BCメンバー壊滅に打って出る。

 前王者のリターンマッチを受けて立つ棚橋に対し、AJは大阪決戦当日のみの来日が決定。ぶっつけ本番のV2戦となった。

 とはいえ王者に動揺する様子はない。「(昨年10月の対戦で)スタイルズクラッシュは防ぎきったし、むしろ前哨戦が必要だったのはAJの方だったんじゃないですか。AJが日本に来るころにはBCを壊滅状態にしておきますよ」と不敵な笑みを浮かべた。

 昨年は2度の対戦で勝利を収めた棚橋にとって、警戒すべきはAJ本人よりもむしろセコンド陣の介入だ。前回の対戦でもヨシタツの救出がなければあわやの場面を作られた。ならば前哨戦代わりに連日組まれているBCとの試合で、メンバーを一人ずつ破壊。当日までに孤立させておこうという算段だ。「鬼の居ぬ間に洗濯」は公私にわたる棚橋の得意技でもある。

 作戦成功の鍵を握るのはチームを組む新日本本隊の一致団結だ。一般的には本隊こそ一致団結しているものだが、新日本はひと味違う。棚橋が「自分に唯一欠けているスキルが求心力」と認めるように、1月4日東京ドーム大会で防衛成功後の祝杯に駆け付けたのも、キャプテン・ニュージャパン、KUSHIDA、アレックス・シェリーのわずか3人しかいなかった…。

 そこで棚橋は「ベルトを狙っている人間が多いから仕方ないのかもしれないけど…。それよりAJを倒して世界一のハクがついた棚橋を倒したくはないか? とりあえず今は力を貸せ」と「大事の前の小事」理論で自軍メンバーにSOSを発信した。大一番に向けた新シリーズは、すでに孤立している大将が敵軍大将の孤立化を狙う妙な構図からスタートする。