12日の全日本プロレス大阪大会で行われた3冠ヘビー級王座次期挑戦者決定戦は、“浪速のマッスルモンスター”ゼウス(32)が地元の声援を背に躍動。KENSO(40)から大逆転勝利を収め、王者・潮﨑豪(32)との対戦権を手中にした。

 開始早々、KENSOから場外戦を仕掛けられた。観客の飲んでいたお茶の缶で殴打され、むき出しの床へDDT。試合開始5分でグロッギー状態に陥ってしまう。

 しかし、とどめのダイビングエルボーを狙うKENSOを雪崩式ブレーンバスターで切り返して復活。そのまま正調ブレーンバスター、ジャックハマーと3連続で投げつけ挑戦権を奪い取った。

 ゼウスの目標はこれだけではない。3冠挑戦は「地元・大阪府立(ボディメーカーコロシアム)のメーン」と心に決めている。勢いに乗る筋肉獣は、セミ終了後のリングに乱入。潮﨑から「2月7日、大阪でやってやる」と言質を取りつけ、してやったりの表情で引き揚げていった。

 控室でもゼウスは「大阪で絶対、全日本で一番の男になったる!」と意気揚々だったが…一方の王者・潮﨑は冷めた顔つき。「今回の決定戦の感じなら、ベルトをかける意味がない」と試合内容を批判したうえで「俺が3冠戦にふさわしいレベルに引き上げてやる」と毅然と言い放った。

 ゼウスは昨年のチャンピオン・カーニバルと王道トーナメントで潮﨑と対戦し、2戦とも惜敗。ただ、この日のようにホームタウンでは「プラスアルファ」の力を発揮するのも事実だ。3度目の正直に向け舞台は整った。