北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの石井慧が正念場を迎えている。昨年大みそかのIGF「INOKI BOM―BA―YE 2014」(両国国技館)でIGF王者ミルコ・クロコップ(40)に挑んだが、2R終了間際に左ハイキックからアッパーカットの連打を浴びてTKO負け。ミルコに屈辱の連敗となり、試合後には号泣した。


 心身ともにダメージが心配されたが、関係者によれば「全然、大丈夫です」とのことで、再起を目指すという。再起戦の場に浮上するのが、海外のリングだ。石井はロシアの総合格闘技(MMA)団体「M―1」と契約を交わしており、ここが第1候補。さらに米国の新興MMA団体「ベラトール」からオファーが届いている。ベラトールは世界最大のUFCに対抗すべく設立されており、石井の現在の主戦場でもある日本のIGFも提携を模索。米国での再起戦も有力だ。


 もちろん、ミルコに対してもこのままでは終われない。テレビ中継で解説を務めた暴走王・小川直也(46)は「石井はもう一度、ミルコに行くしかない。前回(昨年8月)の対戦より今回の方が進歩している。2Rの頭までは良かったから。もう一丁だ!」とゲキを飛ばす。


 どんなに追い込まれようと、石井が日本格闘界の“最後のとりで”であることに変わりはない。再度の奮起が望まれるが…。