昨年大みそかのIGF「INOKI BOM―BA―YE 2014」で2年2か月ぶりに日本復帰を果たしたジョシュ・バーネット(37)が“二刀流継続”を宣言した。IGFとUFCを股にかけ、日米のリングで存在をアピールする。UFCでは「ベルトには興味がない」と話す一方、元UFC世界ヘビー級王者で現WWE世界ヘビー級王者のブロック・レスナー(37)との夢対決に動きだす。

 昨年の大みそか決戦では暴走王・小川直也(46)とのコンビで、藤田和之(44)、ミノワマン(38)組に快勝。2012年10月以来のIGF参戦でもブランクを感じさせず、鮮やかなスープレックスを披露した。

 2013年に約12年ぶりに古巣のUFCにUターンしたため、所属はUFCのまま。しかし、バーネットはきつい“縛り”があるにもかかわらず、今後もIGFマットに上がり続けることを約束する。「UFCとの契約はあるけどいつも日本に来たいと思っているし、IGFで試合をしたいと思っている。UFCからは許可をもらっている」。IGFもバーネットのもとに若手を修行に派遣することを検討しており、連携は強まりそうだ。

 一方で、UFCでの動向もますます目が離せない。復帰後は2戦1勝1敗の成績でヘビー級ランキング6位につける。王座挑戦を狙える位置にいるが、標的はベルトではないという。「取れたら取りたいけど、そんなの気にするよりいい試合をしたい。違う部分で価値観を持っている」。もう強欲に、しゃにむに突っ走っていた若手ではないと自覚する。総合格闘家としてはキャリア終盤に差しかかっている現状を見つめ、バーネットは記録より記憶に残る戦いを優先させる考えだ。

 その一つがレスナー戦。レスナーは08年にUFC王座を戴冠後、12年にWWE復帰を果たしたが、ここにきてUFC再挑戦が噂されている。「彼は戻ってくると言われている。彼とは戦いたい。みんな彼が世界一だと思っているからね。でも、彼は一度もナンバーワンになったことはない」

 バーネットはレスナーが王座を取ったプロセスを認めないという。「UFC史上最も楽な手段だったね。ベルトを取った相手はベテランのランディ・クートゥアだった。ランディは何年も前の王者だった。でも、ベルトを取ってしまったからみんな彼(レスナー)が一番だと思ってしまった。俺が彼と戦って、彼と俺たちは違うんだってところを教えてやりたい」

 ともに1977年生まれの元UFC王者。実現すれば米国のみならず世界が注目する“プロレスラー頂上決戦”となる。