ノアのGHCヘビー級王者・丸藤正道(35)が7日、新日本プロレスで暴れまわる鈴木みのる(46)率いる鈴木軍にケンカを売った真意を激白した。4日の新日・東京ドーム大会に乗り込んだことで「ノアVS鈴木軍」の機運が高まり「狙い通り」とニヤリ。まずは小島聡(44=新日本プロレス)をV6戦(10日、後楽園ホール)で退け、団体として全面戦争に打って出る。

 この日、東京・有明のノア事務所を訪れた丸藤は「相手が俺個人じゃなく、『ノア』という感覚で取ってくれたのは、こっちからしたら狙い通り。ケンカは売ったからね。使えるものは何でも利用させてもらわなきゃ」と、してやったりの表情だった。4日の東京ドームではTMDK(マイキー・ニコルス、シェイン・ヘイスト)の2人とともに、矢野通の助っ人として出場。鈴木軍の4人相手にわずか5分で勝利した。鈴木軍は怒り心頭で、ドーム決戦ではからまなかったボスのみのるまで「こいつらに売ったケンカは俺が買ってやる。根性決めてこいや!」と怒りの声明を発したからだ。

 みのるの引っ張り出しを狙った理由は一つ。ノア勢の奮起を促すことだ。丸藤は副社長、王者として団体をけん引しているが、選手の間には「他人任せ」的な空気が蔓延している。そうした状況に黙っていられず「団体が盛り上がるには全員が全力を尽くさないといけないし、そういう状況をつくりたい。それで、うちの選手がみんな嫌う鈴木みのるだった」。

 みのるの唯一の理解者だった丸藤は2005年にコンビでGHCタッグを巻いたことがあるが、他のレスラーは“みのるアレルギー”が激しい。これまでもノアに参戦したみのるがリングで練習を開始すると、選手たちは潮が引くようにリングから離れていったという。大先輩にもかかわらず、率先してあいさつする選手もいなかった。「昔のレスラーが持っていたようなあの、人を寄せつけないオーラが、ノアの選手には受け入れられなかったんだと思う」

 団体として「開戦」のゴーサインを出す方針は固まったが、その前にやるべきことがある。10日に小島との防衛戦が控える。丸藤は「新年なんだから元気にいきたいし、そのためには格好の相手。あのキャリアの選手は今のノアにいないので、感謝の気持ちを持ちつつ勝ちたい」と必勝を期した。