【新日1・4東京ドーム】これが20年間の結晶だ。IWGPタッグ選手権は後藤洋央紀(35)、柴田勝頼(35)組が、カール・アンダーソン(34)、ドク・ギャローズ(31)組を撃破。念願のIWGPタッグ王座を奪取した。

 三重県立桑名工業高で出会ってから、ちょうど20年目の節目。数奇な運命が導いた結果に、激闘を終えた柴田は「高校で部員が少ないレスリング部で夢を見たプロレス少年がベルトを手に入れた。こんなこともあるんですね…」と信じられない表情。後藤も「こうなるべくして俺らは出会った」と声を上ずらせた。

 鉄の連係だった。序盤、後藤のラリアートがエプロンの柴田に誤爆。大ピンチとなったが、勝負を諦めなかった。アンダーソンを息の合ったコンビネーションで撃退し、標的をギャローズに絞る。勝負を決めたのは柴田だ。後藤が抱え落としたギャローズを思い切り蹴り上げる。すかさず走り込んでのPK一閃で3カウント。ベルトを互いの腰に巻いた2人は、リングにあぐらをかいて勝利の美酒に酔いしれた。

 狙うは長期政権だ。意外にもレスラー人生で初戴冠となった柴田は「3年前から(再び新日本に)上がるようになって、ベルトって結構力があるんだなと思いました。タッグに限らず」と話し、シングルにも興味津々。盟友との「革命継続」をアピールした後藤も「ひとつ手に入れた。継続して期待してもらえば」と力を込めた。

 出会い、別れ、そして再会。紆余曲折を経たからこそ、深まった絆が最大の武器となった。2015年の新日マットは遅咲きの親友コンビがかき回していく。