潮崎3冠 WWE戦士イタミの勇姿に発奮

2015年01月04日 16時00分

初めて3冠ベルトを手にした潮崎にファンも熱狂

 3日の全日本プロレス東京・後楽園ホール大会の3冠ヘビー級選手権は挑戦者の潮崎豪(32)が王者のジョー・ドーリング(32)を豪腕ラリアートで破り、第51代王者となった。同王座に4度目の挑戦で悲願の初戴冠。わずか2か月の間に連続挑戦という絶対に負けられない一戦で大きな発奮材料となったのが、あのWWE戦士の存在だ。王道マットの新たな覇者誕生の秘話を公開――。

 

 潮崎は昨年10月29日の山形大会でも王者ドーリングに挑戦したが、一方的な展開で完敗。わずか2か月後の再挑戦では、見違えるようなファイトを見せた。

 

 王者の規格外のパワーに一歩も引かず、チャンスをうかがい続けた13分過ぎだった。ラリアートでドーリングを場外に落とすと、助走をつけた大プランチャを敢行。一気に流れを引き寄せた。ここから怒とうのラッシュだ。2発のゴーフラッシャーに、アルゼンチン式背骨折りの体勢からの変型ゴーフラッシャー、さらに豪腕ラリアート。浴びせたチョップは38発にも及んだ。それでもゾンビのように起き上がってくるドーリングに、最後はトドメの豪腕をブチ込んで仕留めた。

 

 試合後はゼウス(32)とKENSO(40)が次期挑戦者に名乗りを上げたが、観衆からは大「潮崎コール」が発生。新王者も「今の全日本は後楽園が超満員札止めにならないけど、俺の力で(日本)武道館を目指す。その高みまで、引っ張っていきます!」と誓った。

 

 決戦前には人知れぬ苦悩もあった。極度の緊張から、年末年始も心休まぬオフを過ごした。そんな時、自宅のテレビ画面にはWWEの育成ブランド「NXT」の中継が。そこにはかつての先輩、元ノアのKENTAことヒデオ・イタミ(33)の姿があった。「世界で頑張ってる姿に『自分も』っていう気持ちにさせてくれた」

 

 2008年1月から米国に留学していた潮崎は同年9月、周囲の勧めでWWEのダークマッチに出場した。実は、この直後にWWEから3年契約の正式オファーが届いたという。

 

 だがノアの社長だった故三沢光晴さんは「(オファーが)1年か半年だと思ってたけど…」とエース候補の長期契約に難色を示した。また当時のノアは翌09年3月に日本テレビの地上波放送打ち切りが内定していた苦しい時期。「やってみたい気持ちはあったけど、三沢さんから海外に出してもらったし、テレビのことも…。筋を通さないといけないと思った」と潮崎はノア残留を決めた。

 

 それから6年後、潮崎がかなわなかった夢舞台で、イタミが大きく歩み始めた。昨夏には「テレビで活躍を楽しみにしています」とメールを打ち、イタミから「ありがとう」と返事があった。

 

 潮崎は「KENTAさんは必ず活躍する。俺は俺で3冠の価値を高めていく」。もう後悔する気持ちはない。太平洋を越えて活躍する先輩の姿を励みに潮崎は王道マット復興に全身全霊を注ぐ。