23日のディアナ川崎市体育館大会で、女子では17年8か月ぶりとなるノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチが行われ怪物・井上京子(45)が堀田祐美子(47)を撃破した。
1997年4月29日に横浜アリーナで行われた邪道姫・工藤めぐみ(45)の引退試合以来封印されていた女子の電流爆破戦が、ついに実現した。立会人の工藤と、電流爆破戦の創始者・大仁田厚(57)が見守る中、運命のゴングが鳴らされた。
まずは2分過ぎ、堀田が振り抜いたパイプイスを京子が間一髪でかわすと、これが有刺鉄線を直撃。激しい爆発音と火花が飛び散り、会場は騒然となり、泣きだす子供もいたほどだ。その1分後には、京子が最初の犠牲者に。堀田の裏拳が命中するとそのまま背中から被弾。コスチュームは黒く焼け焦げ、右肩付近に大ヤケドを負った。
だが京子も負けじと堀田を爆破させると、京子、堀田の順に被弾。ハイライトは12分過ぎだ。2人でもつれたまま爆破すると、リング上には巨大な煙柱が上がった。両者KOの状態から何とか京子が覆いかぶさり、12分16秒の死闘を制した。
「いろんなことをこの試合で教えてもらった」と涙ながらに電流爆破戦の恐怖を語った京子。大仁田が「爆破の女王として第一歩を歩んだ」と最大級の賛辞を贈れば、来年から「超花火」シリーズのエグゼクティブプロデューサーを務める工藤は「これに刺激され、女子でも電流爆破が広がっていくんじゃないでしょうか」と期待を寄せた。
関係者によると来年1月に新設の「爆破王」に続き、女子でも「爆破女王(仮称)」王座を設ける方針。当然、京子は初代女王の最有力候補となる。2000年2月にはFMWで故冬木弘道さんと組んでミスター雁之助、H(ハヤブサ)を撃破してWEWタッグ王座を獲得。女子では史上初めて男子王座に就く偉業を成し遂げている。14年の歳月を経て新たな勲章に王手をかけた格好だ。
またこの日、1980人(満員)の観衆を集めた同体育館は27日に閉館して改修工事に入るため、これが最後のイベントとなる。女子プロレスで数々の伝説マッチを生んだ“聖地”58年の歴史にピリオドを打った京子は「女子プロ界を何とかしたい!」と絶叫。2015年は初代爆破女王の座へ突き進む覚悟だ。
怪物・井上京子「女子17年8か月ぶり電流爆破マッチ」涙の劇勝
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