6日のノア有明コロシアム大会で行われたGHCヘビー級選手権は、王者の丸藤正道が挑戦者の杉浦貴を31分9秒、変型エメラルドフロウジョンからのエビ固めで下し、5度目の防衛に成功。次期挑戦者決定戦を制した小島聡(新日本プロレス)と来年1月10日の後楽園ホール大会で、V6戦を行うことが決定的になった。

 厳しい戦いだった。同王座14回の最多防衛記録を持つ杉浦は、これまでの防衛ロードの中で最強の相手。特にパワー、スタミナでは王者を圧倒する。序盤からテクニックを駆使して攻略にかかるが、やはり一筋縄ではいかなかった。

 チョップを杉浦の胸板にブチ込んでも、重いエルボーで反撃される。さらに6分過ぎには場外で鉄柵越しのブレーンバスターを狙ったが、逆に鉄柵上に腹部から落とされて悶絶。大ダメージを負った王者に、杉浦の非情な腹攻撃が続いた。

 だが丸藤は、わずかなチャンスを逃さない。18分すぎにはエプロンサイドでパイルドライバーを決めると、ここから猛ラッシュを仕掛けた。不知火からコーナーの杉浦にカウンターの虎王(二段式ヒザ蹴り)を決め、ダウンさせる。それでもゾンビのように立ち上がった杉浦は驚異的な粘りを見せるが、丸藤は雪崩式不知火で再び形勢逆転に成功。30分すぎには前と後ろから虎王を浴びせ、フィニッシュにつなげた。

「次にやったら勝てるか分からない。今日という日に杉浦貴と試合ができて良かった」と挑戦者をたたえた丸藤。だが試合後は小島がリングに現れ「格好ばかりつけやがって。化けの皮を剥がしてやる!」と挑発された。だが「必ず俺が勝ちます」とファンに約束した王者が、2015年も方舟マットをけん引する。