新日本プロレスの小島聡(44)が、6年4か月ぶりに「極悪男」に戻る決意を固めた。小島はノア12月6日の有明コロシアム大会で森嶋猛(36)との「GHCヘビー級王座次期挑戦者決定戦」に臨む。極悪ユニット・超危暴軍のボスを「何も変わってない」と一刀両断した小島は、全日本プロレス所属時に悪行の限りを尽くしたブードゥー・マーダーズ(VM)時代の姿に戻り、真の「悪」を叩き込むという。

 普段は温厚な小島が怒りを爆発させた。「俺は森嶋との対戦を一番楽しみにしていた。2年前のGHC戦(2012年12月9日の両国国技館)では負けたけど、充実感があった。なのに何だあれは? 一番、充実感がない試合になった!」と語気を荒らげた。

 グローバルリーグ戦で優勝戦線に残っていた小島は、8日の公式戦最終試合で森嶋と対戦。だがセコンドの超危暴軍に介入され、決勝進出の夢を断たれた。特に情けなさを感じたのが森嶋のファイトだ。「振り切れてないね。自分を変えたくてあのユニットを始めたと思うけど、何も変わってない。優しさが伝わってきた。ファンから、いいヤツだと思われてるだろ。それでいいのか?」

 森嶋の行動は、かつての自分の姿とダブる。「全日本の時は会社と自分を変えたくて、VMに入った。あの時は私生活も捨てた」と振り返るように、小島は07年6月24日の全日本の後楽園大会でVMに電撃加入。翌08年8月3日の金沢大会で脱退するまで極悪ファイトを展開。ファンとの写真撮影やサインも当然のように拒否し、本隊とは別行動を貫いた。この時期は本当に悪の色に染まっていた。

 新日本プロレス時代には一世を風靡したnWoジャパンやT2000に所属した経験もある。だからこそ、中途半端な森嶋の姿に怒りを感じるのだ。そして予想以上に早く12・6有明大会で再戦の機会がめぐってきた。「あの時のイスを持っていく。ホンモノを教えてやるよ」と物置に眠るVM時代に愛用した黒塗りのパイプイスを持参して、森嶋の性根を叩き直すという。

 勝てば同大会で行われるGHCヘビー級戦(丸藤正道対杉浦貴)の勝者に挑戦できる。小島は「丸藤に勝ってほしい。博多(10月26日)でアゴに蹴りを入れられ、勝ったのに記憶がないし」と森嶋戦の先を見据える。12・6有明決戦は血で染められる予感が漂ってきた。