W-1至宝戦 誰よりもベルト似合う武藤 王者河野下す

2014年11月02日 13時38分

河野にムーンサルトプレスを決める武藤

 W―1の武藤敬司デビュー30周年記念大会「HOLD OUT」(1日、東京・両国国技館)で行われたWRESTLE―1チャンピオンシップは、挑戦者の武藤が王者の河野真幸を足4の字固めで下し、新王者に輝いた。メモリアル大会で5年10か月ぶりのシングルの勲章を手にした武藤に対し、即座に所属選手たちが次期挑戦を表明。51歳の“象徴”をめぐり、過酷な包囲網が敷かれた。

 節目の大会で、プロレス界の至宝が頂点に輝いた。先に仕掛けたのは武藤。あいさつ代わりのドラゴンスクリューを放つと、ここから鉄柵越し、ロープ越し、雪崩式と立て続けに6発もお見舞い。そのまま足4の字で勝負を決めにかかった。

 だが、セコンドからイスを受け取った河野は脳天を殴打して脱出。ここから爆弾のヒザを狙われた武藤は、足4の字、足首固めに長時間つかまり、苦悶の表情を浮かべ続けた。それでもこれを逃れると、閃光魔術弾を連発。さらには月面水爆弾を繰り出すが、これでもカウント3が入らない。ならばと17分過ぎ、逆回転のドラゴンスクリューで左足を完全破壊すると、再び4の字の体勢に。ついにギブアップを奪った。

「いや~しんどかった。自分が力を与えなきゃいけないのに、今日はお客さんからパワーをもらった」。武藤にとって2009年1月に新日本プロレスのIWGPヘビー級王座を手放して以来のシングル王座戴冠(化身のムタは09年3月に手放した3冠ヘビー級王座が最後)となる。

 満身創痍の武藤を支えたのは家族の存在だった。「武藤家に入ったら家族3人(久恵夫人、長男、長女・愛莉)で“介護”体制がしっかりできてるからな。俺は一人でやっていけないんだよな。何でもしてくれるよ。俺は全くソファから動かないからな」。

 ベルトを腰に巻き、そして家族のことを思えば、まだまだ第一線を退くわけにはいかなかった。試合後は挑戦を訴える真田、KAI、征矢らに囲まれた武藤。「余韻に浸る間もねえな。一晩考えさせてくれよ」。武藤が旗揚げ1年2か月の若き団体をけん引する。