WWE殿堂入りの名悪役レスラー 「狂牛」ベーカーさん死す

2014年10月22日 10時27分

誰が描いたのかヒーヒー泣く木村のイラストを掲げて挑発行為を続けたベーカーさん(1978年9月12日、埼玉・深谷市民体育館)

「狂牛」のニックネームで一世を風靡し、WWE殿堂入りも果たした往年の名悪役レスラー、オックス・ベーカーさんが20日(日本時間21日)心臓発作のため亡くなった。WWE公式ホームページが報じた。80歳だった。

 ベーカーさんは1962年にデビュー。70年代に入ると198センチ、158キロの巨体を武器に、スキンヘッドに木炭のような眉毛、絵に描いたような長いヒゲで強烈な悪役像を確立した。69年に国際プロレスに初来日。70年12月には日本で2度目の金網デスマッチを行い、ラッシャー木村の足をイス攻撃で骨折させている。

 その後は米国でもトップの座に上り詰め、72年6月にはドリー・ファンク・ジュニアのNWA世界ヘビー級王座にも挑戦。全日本プロレスにも参戦し、75年にはジャイアント馬場のPWFヘビー級王座にも挑戦した。

 78年9月には国際プロレスに8年ぶりに参戦。「再び木村の足を折る」という挑発行為を続け、右足を骨折してギプスをはめ、車椅子に乗って泣いている木村のイラストを描いたプラカードを掲げるという、外国人レスラーでは前代未聞のデモ行為を繰り返した。その熱意は実らず、木村のIWA世界ヘビー級王座に2度挑戦するも、王座奪取はならなかった。

 最後の来日は80年11月の新日プロ「第1回MS・Gタッグリーグ戦」で88年に引退した。リタイア後は映画にも進出し、ジャッキー・チェン主演「バトル・クリーク・ブロー」(80年)、カート・ラッセル主演「ニューヨーク1997」(81年)などに出演した。2度のリング禍もあって凶悪レスラーのイメージが強かったが、一時代を築いた古き良き時代の名悪役レスラーだった。