これがリアル「猪木近衛兵団」だ

2014年10月12日 16時00分

エース・猪木(下)を必死で介抱する新日軍団(左から大矢、橋本、キャット、荒川、蝶野、後藤、星野、船木)

 【お宝写真館】写真は1986年5月30日、新日本プロレスの「IWGPチャンピオンシリーズ」広島県立体育館大会の控室風景だ。

 

 セミファイナルで行われたIWGP王座決定リーグ戦Aグループ公式戦で坂口征二に13分29秒、リングアウトで敗れて控室に戻ってきたアントニオ猪木を、つなげた長テーブルの上にうつぶせに寝かせ、全員で慌ただしく介抱している。

 

 

 メンバーは大矢健一(現・剛功)、橋本真也、ブラック・キャット、ドン荒川、蝶野正洋、後藤達俊、星野勘太郎、右耳だけ写り込んでいるのは船木優治(現・誠勝)だ。

 

 社長(猪木)が副社長(坂口)に初黒星を喫したという衝撃だけではなく、とにかく現場は物々しい。

 

 橋本とキャットがシューズのヒモを解けば、荒川は猪木の腰にタオルをあててマッサージ。そこに蝶野がヤカンで冷水をかけ、その姿を先輩付け人の後藤が心配そうに見守り、最も“猪木歴”が長い星野は何やら指示を出さんとしている。

 

 右端の船木がやや距離を置きつつ直立不動なのはメーンイベントのリングで、自らが付け人を務める藤波辰爾が木村健悟とのタッグで、ディック・マードック&マスクド・スーパースター組を挑戦者にIWGPタッグ王座防衛戦の真っ最中だから。いつでもリングサイドに戻れるようスタンバイしている様子だ。

 

 このシリーズ中、社長兼エースの猪木は写真週刊誌に端を発する女性スキャンダルで「男のケジメ」と頭を丸刈りに。43歳にして心身&公私ともに疲れ切っていた時期で、そんな猪木をガードしようとする周囲の鉄の結束が見て取れる。

 

 疲労困ぱいの猪木だったが、このシリーズ中、アンドレ・ザ・ジャイアントから史上初のギブアップ勝利を飾り、決勝戦ではマードックを撃破し見事、初代IWGP王者に輝く。

 

 星野は後に自ら総裁を名乗り「魔界倶楽部」を結成するが、その時のセリフが「我々はアントニオ猪木近衛兵団だ!」だった。この写真を見るにつけ、彼らこそが“リアル猪木近衛兵団”だったことが理解できる。

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