ノアと新潟大花火の合同興行は23日、新潟市体育館で行われ、メーンのノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチで、“邪道”大仁田厚(56)がノア勢をデスマッチのリングに沈めた。電流爆破戦史上初となる6人同時爆破の大激戦となるも、杉浦貴(44)との遺恨対決に勝利した大仁田は、GHCヘビー級王者・丸藤正道(34)に最後通告。改めて出頭を命じると同時に、W―1・武藤敬司(51)との電流爆破戦までブチ上げた。

 ノアのリングで初めて開催された電流爆破戦で、大仁田は矢口壹琅と保坂秀樹を従え、杉浦、高山善廣、平柳玄藩組と対戦。6選手が大混戦となるなか、矢口、高山、大仁田が次々と爆破のえじきになる。

 大仁田は6分過ぎに有刺鉄線バットを杉浦めがけてフルスイングすると、ついに爆破に成功。耳をつんざくような爆発音で杉浦は大ダメージを受けるが、3カウントだけは許さない。

 ハイライトは7分過ぎだ。6選手がもつれ合ったまま、そのまま高圧電流が流れる有刺鉄線に突撃。6人の同時爆破は史上初で、激しい火花と硝煙が立ち込めた。大仁田組はダメージの大きい平柳に照準を絞り、この試合6度目の爆破を決めると、最後は合体のサンダーファイアーパワーボムで勝利した。

 方舟マットを占拠した大仁田は「オイ、杉浦、約束ごとを守れ! 次は丸藤とノアのリングで電流爆破じゃあ!」と絶叫。実はカード決定当初は「杉浦に勝ったら丸藤が出てこい」と条件をつけていたが、途中から「俺が勝ったら――」とニュアンスを変えていた。つまり、大仁田は3人のうち誰から勝利を奪っても良かったことになる。このあたりのしたたかさが、邪道流だ…。

 杉浦から「勝手に直談判しろ。俺は負けてない」と返答されても、大仁田はどこ吹く風だ。すっかり観衆を味方につけた邪道は「次はW―1じゃあ。丸藤の次は武藤じゃあ!」と叫び、リングを後にした。

 かつて「メジャー」と呼ばれた3団体のうち、これで新日本プロレスに続き、ノアでの電流爆破戦を実現した大仁田。今後も年内は肥後大花火(11月3日、グランメッセ熊本)と茨城大花火(12月6日、茨城県立スポーツセンター)の2大会で電流爆破戦を行う予定で、丸藤、武藤との爆破戦まで実現する可能性が出てきた。