“火の玉ボーイ”の火は消えてしまったのか。「UFC JAPAN 2014」(20日、さいたまスーパーアリーナ)でプロ初のKO負けを喫した五味隆典(36)が“引退”を示唆し、波紋を呼んでいる。

 まるでいいところがなかった。対戦相手は「10代のころから五味のファンだった」というマイルズ・ジューリー(25=米国)。五味は打撃で圧力をかけようとしたが、その矢先右フックをモロに食らい腰砕けに。鉄槌で追い打ちを食らい、92秒でレフェリーが試合を止めた。

 試合後は「疲れました」と重い口を開いた。KO負けについて「どうもなにも…。効いちゃったから。もっとやりたかったけど、うまく狙われた。う~ん、悔しいですけど…」と伏し目がちで語り「今後のことをゆっくり考えたいと思います」と意味深につぶやいた。

 五味は昨年の日本大会でディエゴ・サンチェス(32)に敗れたときも、「長期休養」を切り出しモチベーション低下が心配された。しかし、このときは判定負けでダナ・ホワイト社長(45)がツイッターで「ばかげた判定」と擁護したこともあり、今年4月に復帰している。

 だが「判定はだめだよ、KOじゃなきゃ!」が信条の五味だけに、今回の黒星はダメージ大。ジョー・カー国際戦略事業統括本部長は「来年は日本、韓国含めアジアでいくつか開催したい」と市場拡大を表明したが、ビッグネームが1人離脱する可能性も出てきた。