「UFC JAPAN 2014」(20日、さいたまスーパーアリーナ)のため来日しているUFC国際戦略事業統括本部長のジョー・カー氏が19日、本紙の単独インタビューに応じ、北京五輪柔道金メダリストで現在IGFを主戦場とする石井慧(27)のスカウトに動くことを明言した。日本における今後の戦略についても披露。総合格闘技(MMA)の最高峰はこれからどう進むのか?

 ――初来日です

 ジョー氏:日本はアジアでもっとも重要なマーケットです。ぜひ視察したいと思っていたのでうれしいです。さいたまも今日が初めてですね。当然、来日前にも「PRIDE」の映像では見ていますよ。大きくて素晴らしい会場という印象です。素直に言って今回の大会が絶頂時のPRIDEに届くとは考えていません。だから、時間をかけて日本にUFCを定着させ、PRIDEの域まで育てていきたいと思っています。謙虚に言いましたが、もちろん今回もチケットの売り上げは上々ですよ。

 ――来年以降も日本で大会をするのか

 ジョー氏:もちろん来年も来ますし、年1回のペースで日本大会を開きたいと考えています。大会は年1回ですが、今後は1年を通じファイターを来日させ、ファンイベントで交流を持つとか、UFCブランドが浸透するよう努力していきます。

 ――米国ではリアリティーショー「TUF」が起爆剤になった。日本版の話もあったが

 ジョー氏:もちろんいま検討中で、来週もその案件でミーティングがあります。ただ、TUF日本版も大事ですが、次世代の有望な選手を育成することが最も重要と考えます。

 ――ジムや道場を開設するのか

 ジョー氏:日本では一般の人がフィットネス感覚で参加できるUFC系のジムを計画しています。若い人にMMAに興味を持ってもらいたいですから。プロについては、指導者を日本に派遣するか、アメリカのジムに呼んで鍛えるかどちらかだと考えています。

 ――地上波について

 ジョー氏:おっしゃるように認知度アップに無料放送が有効な手段だというのは認識しています。将来的に、そこを手つかずにはしておけません。

 ――知名度のある選手をスカウトする方法は

 ジョー氏:私はセクションが違うので知ったかぶりはできませんが、たとえば誰がいますか?

 ――石井選手はかねてUFC参戦を希望する

 ジョー氏:スカウト部門の人間はいろんな映像を取り寄せ目を光らせています。彼に「リストアップしているのか?」と相談してみますよ。すでに目に留まっている可能性もありますが。もう1度、名前を教えてください(と言ってメモする)。サトシ・イシイ…。来年は、アジアの有望な選手のスカウトに力を入れたいと考えています。必ず視野に入ってくるでしょう。