西口プロレスの“小さな闘魂”アントニオ小猪木(49)が18日、新日本プロレスの黄金時代を支えた名リングアナウンサーの田中ケロ(62)とともに、闘病を続けるアントニオ猪木氏(78)の回復を祈った。

 小猪木はこの日、新日本プロレス、全日本プロレスなどを渡り歩いた田中稔(48=GLEAT)のプロデュース興行「the SPECIAL ONE vol.2~田中稔に任せとけ!」の会場(神奈川・カルッツかわさき)を訪れ、ケロとトークショーを行った。

 稔とは藤原喜明組長(71)の関節技セミナーで出会って以来の付き合いがある。小猪木は「稔さんから『とにかく猪木会長に良くなっていただきたい。会長のために何かできないか。我々の思いを伝えたいので協力してほしい』と言われた。僕も思いは同じ。喜んで駆けつけた」と話す。

 リングでは、猪木氏の「1、2、3、ダァーッ!」が生まれるきっかけを作ったケロと“闘魂トーク”を繰り広げた。

 故橋本真也さんの「時は来た!」発言や、故北尾光司さん(元横綱の双羽黒)のプロレスデビューで印象深い1990年の新日本プロレスドーム大会「90スーパーファイトIN闘強導夢」。長年、ライバル関係にあった全日本プロレス勢の出場という画期的な大会になり、会場は6万人のファンで埋まった。

 会場には故ジャンボ鶴田さんを迎えるウエーブ、「オー!」のどよめきが響き渡り、異様な熱気に包まれた。ファンの興奮冷めやらぬ歴史的イベントの最後を締めたのが猪木氏の「1、2、3、ア、ダァーッ!」だった。これをやるように促したのがケロだ。

“歴史の証言者”たるケロは、貴重な思い出話を披露しつつ、猪木氏の病状について次のように語った。「確かに難病の心アミロイドーシスもあるが、猪木会長が入院された直接の原因は悪化した腰の治療。寝返りさえ打てずに点滴生活が続いてやせられた。だが、次第に状態が良くなっており、食欲が戻られたと聞いている。近いうち必ず快方に向かって復活されるはず」

 小猪木は尊敬してやまない猪木氏の最初の「ダァーッ!」を完コピ。観客と一体となって、猪木氏の完全復活を願った。