GHC王座V2の丸藤がレスラー人生を「残り5年」に設定

2014年08月25日 16時00分

GHC王座を守った丸藤

 丸藤が「社長」に就任した。24日のノア後楽園ホール大会で行われたGHCヘビー級選手権試合は、王者の丸藤正道(34)が挑戦者・森嶋猛(35)を20分43秒、虎王(二段階式ヒザ蹴り)3連発で撃破して、V2に成功した。丸藤は14日に新しく個人会社「キュリオシフト」を設立し、事業第1弾として東京・赤坂に「不知火カレー」をオープンさせる。会社設立に至ったのは「残り5年」と自ら設定したレスラー人生を考えた末の決断だった。

 

 前哨戦では実に4度も森嶋にフォールを奪われた丸藤。もはや後がない上、森嶋には大原はじめ、拳王、マイバッハ谷口ら超危暴軍の3人がセコンドに就く。予想通りに「1対4」のハンディ戦を強いられた。

 

 しつこく試合に介入する超危暴軍にてこずりながらも丸藤は20分過ぎ、一気に勝負に出た。カウンターの虎王を決めると、仁王立ちの森嶋へ続けざまに2連打を浴びせ、巨体を沈めた。「見ての通りキツかった。彼とは入門したころから一緒。対角線でもいいから、俺たちでノアをトップに持っていければ」と1998年に全日本プロレスに同期入門した挑戦者をたたえた。試合後には、谷口が刺股を手に次期挑戦をアピール。9・23新潟市体育館大会でのV3戦が決定した。

 

 8年ぶりにGHC王者として君臨すると同時に、リング外でも活躍の幅を広げている。今年初めから多忙の合間を縫って個人会社設立に動き、ようやく14日に登記が完了した。会社名は「株式会社キュリオシフト」だ。

 

「好奇心を意味するのがcuriosity。好奇心を持ちながら、変化していきたいということです。セカンドキャリアというものを考えた結果。これが一つのモデルケースになって、ほかのレスラーのお手本になれればいいという思いもあった」と経緯を説明する。

 

 プロスポーツ選手なら誰もが直面する引退後の生活について真剣に考えた結果だった。176センチ、90キロの体でヘビー級との激戦を繰り広げた代償は大きく、首とヒザには爆弾を抱えている。「来月誕生日(9月26日で35歳)だし、あとトップで3年、レスラーとして5年だと思う。40歳が一つの区切りになるかなって。特に首がヤバイし、そういうのもあって会社を作った。今が一番、体が充実しているし、何かあってからじゃ遅いから」

 

 28日には東京・赤坂で必殺技にちなんだ「不知火カレー」をオープンさせる。「飲食店のほかにも、もっと自分の可能性を広げていきたい。デザイン関係もあるかもしれないし、何か物を作り出すかもしれない」と積極的に事業展開する方針だ。くしくもレスラーのセカンドキャリアは、師匠の故三沢光晴さんが取り組んでいたテーマでもあった。

 

「もちろん、今後のノアも俺が引っ張っていく」。あと5年。リング内外を獅子奮迅の働きでけん引する天才児は、最後まで全力疾走を続けるつもりだ。