16日の東京・後楽園ホール大会で、4か月ぶりに復帰した全日本プロレスの元横綱曙(45)が本紙の単独インタビューに応じて、現在の心境を激白した。“命の危険”があった欠場中に、7月からスタートした秋山準社長(44)率いる新生・全日プロで取締役に就任。その「真相」から取締役としての新たな活動まで打ち明け、再出発を誓った。

 ――16日の後楽園大会(曙、秋山組対ジョー・ドーリング、大森隆男組)で4月20日以来のリング復帰。勝利で飾った。

 曙:もう、必死でしたよ。強い選手が集まっていましたから。

 ――30日の愛知県体育館大会では3冠王者のドーリングに挑戦する

 曙:練習のつもりで試合をこなし、30日にベストの状態に持っていけるようにしたいですね。

 ――欠場中のことを聞くが、不整脈で欠場したのは2回目。カテーテル手術(心筋焼灼術)も行った

 曙:胸が苦しくて、カテーテルをやって(高周波電流で)不整脈を焼き付けました。2年前のほうが簡単に治った。でも、今回は医師から「死にたいのか?」と厳しい言葉を言われましたね。

 ――本紙でも触れているが、続けていれば死の危険性があったということか

 曙:このままだと「死にますよ」って。さすがにショックでしたよ。もう「無理かな」と思ったし…。それにチャンピオン・カーニバルの最中だったし、まずはどう試合を断ればいいか?が心配だった。

 ――命の危険があったのに、試合のことを考えた

 曙:当時は秋山さんが一番心配してくれて、毎日のように連絡をくれた。「もしダメなら言ってください。ボクが会社に話をしますから」って。秋山さんが会社に話をしてくれて、「まずは体を治してください」と言ってくれた。あの時の気持ちがあったので、秋山さんが社長になる時に協力したいと思ったんです。

 ――なるほど。体はもう大丈夫なのか

 曙:はい。体的には大丈夫です。

 ――横綱も取締役になった。どんな活動をしていきたいか

 曙:「曙ワンパク相撲」をやりたいんです。(全日プロの)地方巡業で一日早く現地に前乗りして、子供たちに相撲教室を開きたい。2~3年前に宮城の相撲教室に参加した時に、子供たちが喜んでくれたんです。

 ――なぜ、地方で

 曙:巡業中、タクシーに乗って感じるのは、地元でプロレスの大会があることを知らないんですよ。でも、こうやって相撲教室をやることで、大会の告知にもなると思うから。

 ――横綱は日本相撲協会での親方時代に広報担当を経験している。いいアイデアだ

 曙:社長にはこれから言います。(取締役専務の)諏訪魔選手のレスリング教室と一緒に、移動式教室みたいな形でやれるといいかなって。

 ――最後にひと言

 曙:(相撲とプロレス)両方の世界で(頂点を)取ったから分かることもあるし、ボクにしかできない形で盛り上げていければと思います。まずは、30日に必ずベルトを取ります。