W―1の船木誠勝(45)が12日に緊急会見を開き、9月21日に石川・金沢で開幕する「WRESTLE―1チャンピオンシップ」初代王者決定トーナメントに、自身の保持するゼロワン世界ヘビー級のベルトをかけて臨むことを表明した。

「7月の両国でこのベルトを取ってから、ゼロワンから何の連絡もない。ならば、トーナメントにこのベルトをかけて出場したい。近日中に連絡がない場合、9月22日(東京・後楽園ホール)、初戦(TAJIRI戦)からベルトをかけたい」。トーナメントに優勝し、2つの王座の“統一”を視野に入れた。

 しかし、1回戦で敗れればいきなりベルトを失い、「W―1」初代王者の称号も手に入らないため、船木にとってリスクは大きい。それでも船木は自分で自分を追い込む覚悟だが、これになぜか動揺したのがTAJIRI(43)だ。

 米・TNAに参戦していたTAJIRIは、船木の会見に先立って帰国会見を行った。「MS・Gを拝んできたらその夜、夢を見て。神のお告げか『お前には使命がある。そのためにそばにあるベルトは全部取り、発言権を強めよ』と言われました。まあ、1回戦で船木さんに勝っちゃえば、あとは片目をつぶってでも勝てるでしょう」と余裕の表情だった。

 しかしその後、船木の覚悟を聞かされたTAJIRIの表情は一変。「なんで1回戦でベルトをかけるの? そういう余計な邪念を注入しないでほしいなあ。これも船木選手の陽動作戦なのかも…」と顔面蒼白。本来なら絶好のベルト奪取のチャンスに喜ぶところだが、勝手に窮地に追い込まれていた。