新日本プロレスの極悪軍団「バレットクラブ」が、ラグビートップリーグの名門「サントリーサンゴリアス」と電撃合体を果たした。かつてラグビー選手だったIWGPインターコンチネンタル王者バッドラック・ファレ(32)の手引きで実現したもの。ファレはG1クライマックス制覇を誓うとともに、同郷の日本代表FLヘンドリック・ツイ(26)もプロレス界に“スカウト”する青写真を明かした。

 IC王者としてG1初出場初優勝を狙うファレは、Aブロック首位の棚橋弘至、中邑真輔を勝ち点2差で追走。決勝戦(8月10日、西武ドーム)進出の射程圏内にいる。

 好調には理由がある。後半戦前のオフとなった2日、ファレはBCの面々と都内のサントリー府中スポーツセンターでラグビー観戦に出向いていた。はた目にはどう見ても不審者の集団でしかなかったが、ファレが元トップリーグラグビー選手だったため、周囲は歓迎ムードそのもの。古巣・宗像サニックスとのプレシーズンマッチに熱視線を送ったファレは「暑さの中で80分のガチガチの試合を見て、モチベーションをもらった。西武ドームも暑いだろうけど、あれを見たらもう大丈夫」と、大いに刺激を受けたという。

 さらに驚くべきことには、日本選手権3連覇(2010~12年)を誇るラグビーの名門・サントリー内でも現在、BC旋風が巻き起こっていることも判明した。ニュージーランドの後輩で日本代表選手でもあるツイは「日本に来たときから面倒を見てもらっていた。ずっと積み上げてたものが実って王者になって、グレートだと思う」とファレの活躍に興奮。またWTB成田秀悦、LO鈴木亮大郎などプロレス好きのメンバーも多く、そのまま「BC」を名乗るロッカーグループまで存在していた。

 これに気を良くしたBCの面々はツイをはじめとした7選手にTシャツを贈呈。かつてのnWoジャパン方式で新メンバーに認定し、ラグビー界にまで勢力を拡大させた。またファレはツイに対して「今はラグビーでどこまで行けるか、100%を出し切ってほしい。いつかラグビーを辞める時は、サポートしてあげるといつも言っている」と、本人の希望次第で、将来的にはプロレス界にスカウトすることも考えているという。

「サントリーBC」の面々は西武ドームにも応援に来場することが決定的。心強い援軍を得たファレが、逆転の決勝進出を目指し残り2戦の必勝を期す。