強過ぎる。2日ノアの東京・ディファ有明大会で行われたGHCタッグ王座戦で王者組の杉浦貴、田中将斗組は池田大輔、モハメド・ヨネ組を退けて2度目の防衛に成功。8・24後楽園大会で予定されるV3戦は、挑戦者不在の状況となった。無敵の弾丸ヤンキースは、このまま無敵街道をバク進して、東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞最優秀タッグ賞獲得の瞬間まで勝ち続けるつもりだ。

 この強さはいったい何なのか。池田、ヨネ組は、現在勢いに乗っているチーム。池田がエルボーを打ちまくってヨネが蹴りまくっても、ヤ軍は倒れない。むしろ打たれ叩かれることを楽しんでいるかのようだ。


 14分には池田が「ゴツン」と場内に音が響き渡る捨て身のランニング頭突き弾を杉浦に浴びせ、頭部から流血しながらも頭突きの追撃で王者組を失速させる。それでも王者組はヨネのキン肉弾を浴びたものの、合体式キン肉弾は回避。スーパーフライ競演を号砲に杉浦はヨネとのケンカのような張り手合戦を繰り広げる。


 そして勝利を一瞬のうちに引き寄せた。杉浦が五輪予選スラム弾を決めると、すぐに田中がスライディングDでヨネを沈め、圧巻のエンディングを見せた。


 調印式ではハレンチ王が「田中は大仁田のスパイだ」と猜疑心を露骨に表明していたが、実際リングに上がってみれば鉄壁のチームワーク。杉浦は「少しだけあの頭突きは効いた…。でも俺に頭突きを仕掛けてきた連中は全員逆に頭を割っているんだ。上下共にカタいのだよ、エヘン」と誇らしげに振り返った。


 V2直後に挑戦を名乗り上げたチームはゼロ。ヤ軍が強過ぎるからにほかならない。挑戦者不在の状況にも田中は「2回、3回、4回という次元で見ていない。もっと先を見てんのや」と長期政権を宣言した。


 このまま快進撃が続けば文句なしにプロレス大賞最優秀タッグ賞獲得は間違いなさそう。「狙うと取れないから無心でいく」(杉浦)「勝ち続ければ自然に」(田中)と賞がらみでは妙に慎重になりながらも全勝街道を誓ったヤ軍。この2人に土をつけるチームはちょっと見当たらない。