曙の復帰即3冠挑戦が電撃決定

2014年08月02日 09時00分

新体制でのスタートに意気込む秋山新社長(中)、諏訪魔(左)と曙両取締役

 元横綱曙(45)の復帰即3冠挑戦が31日、電撃決定した。この日、全日本プロレスの秋山準新社長(44)、曙、諏訪魔(37)の両取締役が東京・江東区の東京スポーツ新聞社を訪問。本社・太刀川恒夫会長、酒井修社長に新体制スタートの報告を行った。次期シリーズ開幕戦(8・16後楽園)で約4か月ぶりの復帰戦を行う曙は、本社会議室で秋山に3冠挑戦を直訴。最終戦(8・30愛知県体育館)で3冠王者のジョー・ドーリング(32)に挑戦することが緊急決定した。

 新体制発足のあいさつを終え、秋山らが本社会議室でひと息つこうとした矢先だった。ジャケットを脱いだ曙が、大粒の汗を拭おうともせず秋山に、こう切り出した。

「次のシリーズ、3冠に行かせてください。返上したベルトを一刻も早く取り返すことが、まず自分がやるべきことだと思うので」

 断る理由などない。秋山は笑みを浮かべながら「横綱、その言葉を待っていました」と快諾。次期シリーズ最終戦での3冠戦を即決した。3冠史上初めて東スポ本社でタイトル戦開催が決定した瞬間だった。

「自分の願いを聞いてくれた秋山社長には素直に感謝したい。休んで迷惑をかけている間は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。復帰するからにはこれまで以上にやるしかない。そのためにも取締役を引き受けたわけですから」と曙は表情を引き締めた。

 曙は肺炎と不整脈の悪化により、4月の「チャンピオン・カーニバル」途中から長期欠場。3冠王座も返上した。ようやく7・27後楽園大会のリング上から復帰のあいさつを行い、8・16後楽園大会で秋山と組み、ドーリング&大森隆男組戦でリングに戻ることが決定したばかりだ。“見切り発車”の不安もあるが「やるからには最高の状態に持っていく。体重も15キロ落としたし(現在183キロ)、コンディションは整っている」と復帰即戴冠に自信は揺るぎない。

 創設者である故ジャイアント馬場さんの元子夫人が取締役相談役に就任したことで、王道マットは原点回帰の兆しが見えてきている。先シリーズのパンフレット表紙には馬場さんの雄姿が飾られた。くしくも曙はプロレスに転向して今年で10年。取締役に就任したことで、全日本プロレスに骨をうずめる覚悟も決めている。

「子供のころ、ハワイのテレビ中継で見た馬場さんと同じ場所に今、自分がいる。身が引き締まる思いです。納得いくまでやり抜くしかない。大相撲やハワイでのスカウト活動にも積極的に動きだしたい」と曙は王道継承者としての決意も新たにした。

 新社長としての重責を担う秋山にしてみれば、これ以上頼もしい存在はない。「横綱が最前線に戻ってくれた。本当にこの日を待っていた。潮﨑も復帰するし、これで本当の意味で再スタートを切れる。全日本プロレス、これから攻勢開始ですよ」と目を輝かせた。

 秋山、曙、諏訪魔。三本の矢が固まった全日本プロレスは全盛期の輝きを取り戻すべく、一気に攻めの態勢に転じる。