新日本プロレスの天山広吉(43)が、新技「アナコンダマックス」効果でのG1クライマックス奇跡の逆転Vを誓った。8年ぶり4度目の制覇を狙う天山は、開幕前の新技開発に込められた、ある熱き思いを激白。完全復活を遂げ、存在感をアピールする。

 Bブロックの天山は前半戦を2勝3敗で折り返した。とりわけパッとした成績ではないが、巻き返しの鍵を握るのが今G1から投入し2勝全てを奪っている新兵器「アナコンダマックス」だ。

 同技はアナコンダバイスを改良し、若き日のジャイアント馬場さんが得意とした裏必殺技・コブラクラッチの要領で相手の腕も利用し、頸動脈をも圧迫する。

「――クロス」「――X」に続く最新型で、天山は技名の由来を「より逃げ場もないし、これがアナコンダの最終形という意味。ファイナルっていうのも考えたんだけど、自分(自身)がファイナルにならないためにもね。まさにツームストーン…」と自虐的に説明。決してパチンコのマックスタイプが好きだからという理由ではない。

 あえて新兵器を携えて臨んだのは今夏のG1に懸ける意気込みの表れだ。開幕前に大会パンフレットを自宅に持ち帰った天山は長男・雄大君に「パパって3回も優勝してたの? でも、もう優勝は無理だよね」と正直かつ衝撃の言葉を投げ掛けられた。

 雄大君は天山が2度目の優勝を果たした2004年生まれ。当時8か月だっただけに無理もない。天山は「子供が、優勝する瞬間を見ていない」と奮起し、8年ぶりのG1制覇への思いを新たにしていた。

 開幕戦を新技で白星発進して以降は、雄大君からも毎日電話で勝ち点状況を聞かれるようになった。近年は飯伏幸太やオカダ・カズチカに熱を上げていた雄大君だが、父・天山がアナコンダマックスで勝ち進むうちに親子仲もマックスに良くなった。

 天山は「西武ドーム(8月10日)は初めての会場。やっぱり決勝に残りたい。今回で記念すべき19回目の出場(注・最多記録だがキリは悪い…)だし、残り全部勝つ」と豪語。現在も語り継がれる田淵幸一のホームラン王(75年)、多賀竜の優勝(84年)以来の奇跡となる逆転優勝に気勢を上げた。