全日本プロレスの元横綱・曙(45)が、秋山準(44)を社長とする新体制で取締役に就任することが27日、明らかになった。秋山社長は絶対的な知名度を誇る曙を新生・全日プロの広告塔としたい考え。秋山社長、専務取締役の諏訪魔(37)、そして曙取締役の超強力スクラムで全日プロを大きく飛躍させる。

 曙が約4か月ぶりに復活する。肺炎と不整脈の悪化で長期欠場していた曙は、この日の後楽園大会に来場。リング上から「長い間休むことになりまして本当に申し訳ありません。おかげさまで8月16日(後楽園ホール大会で)復帰します」とファンにあいさつした。さらには返上した3冠ヘビー級王座についても「置いてきた3冠ベルト、必ず真剣に取りにいきます」と固く誓った。

 曙の活躍の場はリング内にとどまらない。実は秋山新体制下で取締役に就任することが決まったのだ。

 秋山は「横綱は今まで活躍してくれたし、知名度もある。横綱も『会社に協力したい』ということだった。もちろんリングでもまだまだ頑張ってほしいし、本当の意味での広告塔として頑張ってほしい」と打ち明けた。

 角界の頂点まで上り詰めた曙のネームバリューは絶対的で、全国津々浦々までとどろいている。これまでも曙は所属選手ではあったが、役員入りすることで協力態勢の“本気度”を示すことができる。老舗団体・全日プロの看板と曙の相乗効果で双方の名を高めるつもりだ。

 専務の諏訪魔も曙の英断を大歓迎した。「よりいっそうのキズナを深めていけるパートナーが誕生してうれしいね。俺より(人生の)経験も知名度もある。横綱の幅広い人脈もあるだろうし、全日本プロレスをより世間に広めてほしい。フリーで生きてきたし、経営的な部分も勉強させてもらいたい」

 秋山を中心に両翼を諏訪魔と曙が固める新生・全日プロ。団体再興の準備は整った。