<新日G1(25日)○洋央紀vsみのる●>新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」25日の山形大会Bブロック公式戦で荒武者・後藤洋央紀(35)が難敵・鈴木みのる(46)を撃破。開幕3連勝をマークした。6年ぶり2度目のG1制覇へ前進した後藤は優勝の褒美を通常のIWGPヘビー級王座挑戦ではなく、同級生・柴田勝頼(34)とのIWGPタッグ王座挑戦に変更する考えを明かした。

 荒武者の勢いが止まらない。性悪王は今年の「NEW JAPAN CUP2回戦」(3・22名古屋)でも敗れた因縁の相手だった。序盤も「フヘヘヘ」と人を小ばかにした舌出しポーズで挑発され、突進するとタランチュラ式三角絞めに切り返されるなど劣勢を強いられた。それでも、思い通りにはさせない。ゴッチ式脳天杭打ちに入られると、みのるの足をすくってオリジナルの丸め込み技「後藤式」で逆転Vを飾った。

「どんな形であれ、勝ちは勝ち」。そう胸を張った後藤は前半戦最大の山場を乗り越えた。公式戦3連勝で、Bブロック首位タイを堅持。2008年大会以来の祭典制覇に大きく前進した。優勝すれば、AJスタイルズ(37)が持つIWGP王座への挑戦が確実視されるが、後藤はその前にやるべきことがあるという。

「優勝してIWGP挑戦の権利は残しつつも、まずはタッグを取りにいきたい。簡単にはあきらめられない」

 柴田とのコンビでは4・6両国大会でIWGPタッグ王座に挑戦(王者はカール・アンダーソン、ドク・ギャローズ組)するも敗北。リベンジを狙った棚橋弘至、真壁刀義組との挑戦者決定戦(5・25横浜アリーナ)にも敗れてしまった。だが、このまま夢は捨てられない。そこで後藤はG1優勝の実績をIWGPではなく、タッグ再挑戦に生かしたい考えだ。

「決勝の舞台は柴田、絶対上がってきてくれ。俺は何がなんでも勝ち上がるから。ギクシャクしてる状態でもある。G1の決勝で(気持ちを)確かめ合いたい。決勝に上がって来い」。後藤は己の野望に向かって突き進む。