大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)とのタッグ結成構想をはじめ、このところの大阪プロレスは、まさにV字回復だ。

 3月1日に常設会場ナスキーホール・梅田が閉鎖される4月20日を最後に所属選手全員が退団することが発表され、それ以降は興行ごとに試合出場契約を結ぶ体制に移行することになった。3月14日の大阪スポーツ発刊50周年記念大会こそ満員の観客を集めたものの、それ以外は観客動員が冴えず、経営を圧迫したことが原因だった。

 この新体制移行を一部メディアが「大阪プロレス解散」と報じた。これが思わぬ救世主を呼び込むことに。関西を中心にパチンコホールを展開するべラジオコーポレーション株式会社の林田会長がスポンサーとして名乗りを上げたのだ。「地元密着と地域活性化」という方針に共感したこともあるが、会長自身が大阪プロレスを子供と観戦したことがあり、潰すのは惜しいと申し出てきたのだという。

「突然、電話がかかってきたんですよ。援助させてもらいたいって。びっくりしたし、ほんまかいなと疑いました」(大阪プロレス・山口孝裕取締役)

 べラジオは現在、月に1~2回の大阪プロレスの興行のチケットを毎回100枚以上さばいているほか、役員・幹部社員が会場整備を手伝うなど全面的にバックアップしている。おかげで今は、毎回満員だ。

 大阪プロレス・阪上会長は「ほんまにありがたいし、感謝です。でも、いつまでも甘えてはいられない。スポンサー契約は何年でもと言われたんですが、あえて1年にしてもらった。支援していただいている間に何とか自立できるようにしないと」と話している。

 1年での自立が無理でも、今の調子で観客を動員し続ければ、それに近い状態にまで持っていけるかもしれない。幸運の女神は、しばらく大阪プロレスにほほ笑み続けそうだ。