大日本プロレスのグレート小鹿会長(72)が、北海道・利尻島での防風林植樹実現に燃えている。大日本プロレスは小鹿の発案により、北海道での“離島プロレス”(22日・礼文町ピスカ21、23日・利尻町総合体育館)を開催。両島史上初の本格的プロレス興行に向けて、すでに両島の観光協会の後援も内定済みだ。

 小鹿の夢はプロレスだけにとどまらない。冬場には想像を絶する大雪、濃霧、暴風に悩む利尻島に、新たな防風林を植樹することだ。「島には利尻富士(標高1721メートル)という美しい名山がある。それが防風の役目を果たしてるわけだが、暴風や豪雪に悩む地域はまだ多い。何とかしたいとオイラは思ったわけだ」(小鹿)

 小鹿案はこうだ。防風林植樹に必要な苗(主にアカエゾマツなど)は一株約500円。企業や個人から年間1万円の寄付を募ることで、20本の植樹が可能。1000人の出資者が集まれば2万本。小鹿は5年計画で活動を開始し、最終的には10万本の植樹を実現させたいという。

 函館生まれの小鹿だが「オイラの家は8人きょうだいで、上3人の姉は当時隆盛を極めた利尻のニシン加工工場まで出稼ぎに出ていたんですよ。その仕送りと、送ってくれたニシンの粕漬けで大きく育ったようなもの。72歳にしての恩返しですよ…」と、涙をそっとぬぐいながら動機を明かした。

 すっかり「平成の植林王」と化した小鹿は、16日には早々と北海道入りして“離島プロレス”のPR活動に入る。

 登坂栄児社長(43)からは「すでに会長の現地出張は4回に及び、経費は33万円を超えました。これすら回収できるとはとても…」と泣きが入っているものの、小鹿は「カネの計算しかしない登坂は人としてどうかしている。日本男児たるもの壮大な夢を忘れちゃイカン」と使命感に燃える。誰もが幸せになるために、まずは両大会を大成功に終わらせるしかない。