中邑真輔(34=新日本プロレス)が7日、必殺技「ボマイェ」のさらなる進化を予告した。「G1クライマックス」(21日、札幌で開幕)直前にインターコンチネンタル王座から陥落した中邑だが、サッカーW杯ブラジル大会の“あるシーン”からボマイェ改良の着想を得たことで、わずかながら復活への光明が見えてきた。

 中邑は6月の大阪大会でバッドラック・ファレに敗れIC王座からまさかの陥落。「結構万全の状態で臨んだのにもかかわらず叩き潰された。敗戦の影響もあって肉体的に合致しないものがある」と、G1を直前にまさかのスランプ状態に。

 そんな中邑に復活の道筋を示すかのような出来事があった。W杯準々決勝で、ブラジル代表FWネイマールが腰椎を骨折。要因となったのはコロンビア代表DFフアン・スニガの背後からの“ジャンピングボマイェ(飛びヒザ蹴り)”だった。

 ネイマールの戦線離脱は痛ましいアクシデントで、競技の違う格闘技界でも脊椎への攻撃は基本的に禁止されている。中邑は「こっちもプロとしてやってるんで。致命傷を与えることは、プロフェッショナルとして恥ずべきこと」とキッパリと批判。

 だが、その一方で「改めてヒザの持つ危険性を認識しましたね」と、己の武器であるボマイェの改良をひらめく一つのキッカケとなったという。

 正調以外にもジャンピング式やスライディング式など多様なバリエーションを誇るボマイェだが、近年は対戦相手による研究も進んでいる。それだけに中邑は「これまでも後頭部にとかやってきましたけど、やはり『見えない角度から』というのは強烈な一撃になるし、ヒントになり得る。角度的なものだったり。いかに精度を高めるかってことにもなるんでしょうが」と、新型としてスニガ式とも呼ぶべき“消えるボマイェ”の開発に意欲を見せた。

 この日の千葉大会では6人タッグ戦に出場し、ファレに串刺しボマイェを発射するなど勝利に貢献。G1に向けかすかな光明がのぞいた中邑が、早期復活を果たせるか?