6代目タイガーマスク襲名へ――。リアルジャパンプロレス2日の東京・後楽園ホール大会で、船木誠勝(45=W―1)が虎仮面への変身を熱望した。この日は、初代タイガーマスク(56)に憧れていた若き日の夢を断ち切ったかつての鬼教官・藤原喜明組長(65)と23年ぶりに対決。青春時代の野望を思い起こした船木は、覆面戦士としてのデビューに意欲をみせた。

 船木はメーンのタッグ戦で藤原組長と激突。1991年7月に藤原組で一騎打ちして、敗れて以来の対戦だ。

 足首をヒザで踏みつけられる地味だが強烈な拷問技を決められても、船木はローやミドルキックで反撃する。最後はアキレス腱固めに悶絶しているうちにチームが敗北したが、船木は「何年たっても師匠。この痛み…これが原点。ずっとやっていたかった」と満足げな表情を浮かべた。

 四半世紀ぶりの師弟対決で、虎戦士になる夢もよみがえった。船木は「プロレス界は何があるか分からないですから。よほどのキッカケがあればやりたいですよね。やれるならば(50歳となる)あと5年のうちに」と打ち明けた。

 1984年に新日プロの門を叩いたのは、初代虎への憧れからだった。しかしコーチの藤原組長に寝技でシゴかれて夢は頓挫。その後の欧州遠征には、ツノをつけた水色の龍のマスクを持参するも、変身する機会はないままお蔵入りとなった。

 船木も「夢は夢、現実は現実。それが人生なのかと思っていた」と振り返る。だが、藤原組長との遭遇により、虎戦士へ変身する夢に再度火がついた。本家の直接指導を受けたこともある。船木は2004年公開の映画「真説タイガーマスク」にタイガーマスク役として出演。この時、初代虎から四次元殺法の動きをみっちりと教え込まれている。

「スペースフライング・タイガードロップも全部やりました。練習しないといけないですね。使う筋肉も違いますし、マスクだと視界も悪いし、息もしづらいので」。くしくもケガが絶えない初代虎は、練習中に右ふくらはぎを肉離れしてこの日のメーンを緊急欠場。“船木タイガー”の誕生に期待は高まる一方だ。