【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(9)】先日、IWGPヘビー級とインターコンチネンタルが統一されてIWGP世界ヘビー級王座を新設することが新日本プロレスから発表されました。もともとIWGPっていうのは、世界中のベルトを統一しましょうってアントニオ猪木さんが言われて作ったベルト。IWGPの冠が残るのは、やっぱり新日本プロレスのこだわりなんじゃないかな。今までの歴史もあるし、そこは会社が配慮してくれたんじゃないかなって。

 飯伏幸太選手も今や「飯伏イコールIWGP」っていうくくりになってきてる。彼がDDTからこっちに来たとかなんとか全然関係ないよね。新日本プロレスの顔としてやっているのがファンの共感を得てるんじゃないかな。

 2本のベルトの歴史が終わるっていう意見もあるのかもしれないけど、記録と記憶は残るし、IWGPの名前も残る。一つの時代が終わるということは一つの時代が始まるということだからね。亡くなった橋本真也選手も言ってたじゃん。「破壊なくして創造なし」って。飯伏選手が新しい令和の新日本プロレスの、ある意味で道しるべになってくれているんじゃないかな。昔の記録や記憶はもちろん大事にしていきたいけど、時代も記録も塗り替えられる。これから新しいものを見せてもらいたいなって気持ちですね。

 一方、ジュニアではエル・デスペラードがベルトを獲得したね。高橋ヒロムとの去年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニア優勝決定戦でマスクが破れて、自分から取って戦った試合があったじゃないですか。デスぺはあそこからガッと伸びたよね。あの試合が彼のレスラー人生の分岐点かな。ヒロムが大胸筋断裂で約半年欠場になったでしょ。「今のうちに天下取ってやる」っていうのと同じくらい、新日ジュニアは俺に任せろくらいに思ってるんじゃない?

 金丸義信という信頼できるパートナーもいて、ヒロムという切磋琢磨できるライバルもいて、今こうして風が吹いてるわけじゃん。新日本のマスクマンって言ったらデスぺってくらいになってほしいよね。

 ヒロムには「ケガを治すことだけ考えろよ」って言葉を送りたいんですけど、彼もレスラーだから「くそー」って半年はイライラすると思う。でももしかしたら、これからは本当にデスぺの時代かもしれないよ。彼のブレーク自体は必然なんだけど、タイミングよくバーンと伸びてる。対抗で誰が出てくるのかって楽しみもあるし、今後の選手たちの頑張り次第ではジュニアがヘビーを食うことだって十分可能だと思ってる。期待したいですよね。