体調不良の元横綱曙(45=全日本プロレス)が24日、約2か月の沈黙を破り、欠場後初めて取材に応じて胸中を激白した。曙は持病の不整脈が悪化し、一時は生死も危ぶまれたことを告白。手術を受け、現在は練習も再開しており、8月以降の復帰へ強い決意を明かした。

 曙は4月のチャンピオン・カーニバルを肺炎で途中リタイア。当時は3冠ヘビー級王座を保持しており、王者の使命感から強行出場を続けた。しかし持病の不整脈が悪化し、入退院を繰り返した。

 曙:2年前に治療した時も医者から「(不整脈の症状が)いつ出るか分からない」と言われていた。でも3冠戦やカーニバルがあったんで…。本当に最悪な状態で命が危ないところまでいった。医者に怒られましたね。体の反応は年齢の割に若いけど、精神的なストレスが…。

 2年前は復帰を急ぐあまり、満足な治療を受けなかった。再び命を危険にさらした曙は、今回はカテーテル手術(心筋焼灼術)も受け、不整脈の症状は治まっている。

 曙:(合計で)6週間入院しましたね。前回と同じ治療をしてもダメ。電気ショックを使っても、また2日後に不整脈が出たり…。今は大丈夫。医者に「運動していいよ」と言われて先週からトレーニングを始めました。

 日々の練習が手つかずだったため、筋量は一気に低下。210キロの体重(公式発表)は、約180キロまで落ちた。それでも練習を再開したのはリングに戻るためだ。

 曙:5キロ(のダンベル)がこんなに重いと思わなかった。復帰は7月と考えてたけど、体に張りがなくなった。もうちょっとかかると思う。ただ戻るだけじゃ、お客さんに失礼ですし。絶好調で復帰したいし、3冠にも世界タッグにも絡みたい。

 復帰は8月以降となる見込み。くしくも主戦場の全日プロは、7月から秋山準(44)の新会社で再スタートを切る。

 曙:秋山さんと話をして、気持ちは伝わってます。「若い選手たちに夢のある世界を作りたい」という考えも一緒。今、みんなはシリーズ中なんで終わってから改めて話し合いたい。

 曙が返上した3冠王座には大森隆男(44)が就き、諏訪魔(37)とV1戦(29日、札幌)を行う。

 曙:大森さんが22年かけてたどり着いたように、3冠はそれだけ重いんですよ。文句はない。どちらが勝っても。ボクもまた3冠を狙います。