全日本プロレスの北海道・札幌テイセンホール大会(28日)で争われる世界タッグ選手権に新たな地雷が発覚した。波乱含みの王者組(諏訪魔&ジョー・ドーリング)に続き、挑戦者の大森隆男(44=3冠ヘビー級王者)が「打倒・諏訪魔」に執着する相棒・秋山準(44)と意見が真っ向から“衝突中”だ――。

 札幌2連戦が混沌としてきた。28日に世界タッグ戦、翌29日には新3冠王者・大森がV1戦で諏訪魔を迎撃する。

 両王座戦に大森か諏訪魔のどちらかが連勝すれば、わずか2日間で5冠王者が誕生する。大森は3冠戦に弾みをつけるべく「当然、諏訪魔選手から(勝利を)取る。2日で全日本の最高権威を手にする」と断言した。

 となると、問題はチーム内の調和だ。すでにパートナーの秋山が「自分が諏訪魔選手から直接(フォールかギブアップを)取らないと」と明言。最大の理由は、自ら世代闘争を吹っ掛けた諏訪魔にベテランの強さを知らしめるためだ。

 一方、大森からすると諏訪魔を世界タッグ戦で潰すことで、3冠初防衛のステップとしたいだけに、これまた諏訪魔の首は譲れない。

 タッグ戦においてはチームワークが最も重要となるが、大森と秋山はお互いに個人的な理由から諏訪魔の首を狙う。我先にと勝負を急げば、それこそチームの和を乱すことになる。

 それでも大森は「(秋山の言い分は)全く望むところだ。俺もパートナーに隙を見せるわけにはいかない。諏訪魔選手(の首)を取り合うことになる」。ワイルド男らしく、ヌルい譲歩など考えもせず自分の主張を貫いた。

 また王者組は王者組で、諏訪魔が自分とドーリングのどちらかを3冠挑戦者にするようPWF本部(会長はドリー・ファンクJr)に進言。同本部の裁定で諏訪魔が選出され、落選したドーリングは逆上し、こちらも火種を抱えたままの出陣となる。

 大森は「秋山選手と組んだ一つの結果を残したい」と意気込んだが、両チームとも自軍にさまざまな思惑と地雷を抱えたまま、札幌決戦に突入する。